ソフトバンクモバイルは3月1日、プラチナバンドと呼ばれる周波数帯のひとつ、900MHzの免許を獲得したことを受けて記者会見を開き、その喜びを語るとともに、900MHz帯を用いたインフラを早急に整備すると語っている。
↑公布された900MHz帯の免許を手に、満面の笑みを浮かべる孫氏。 |
同社の孫正義社長は、携帯電話事業に参入する前の2004年から、現在の電波割り当てが不公平であるとし、プラチナバンドの獲得に向け総務省に対し訴訟を起こすなど、獲得に向けてありとあらゆる手を打ってきた。それだけに今回の900MHz獲得はひとしおだったようで、「うれしくてたまらない」と話すなど、喜びを隠さない様子だった。
またソフトバンクモバイルが、常々電波がつながらないという批判を受けていることに触れ、ネットワーク満足度向上を目指してきたが、速度面では他社を上回る成果を出したものの、接続率では他社に劣っており、それを「重々承知している」と話す。だが900MHzを獲得したことで、ようやく他社と平等な競争ができるようになるとのことだ。
↑先行する2社がプラチナバンドを持っていることを“不公平”としていたが、900MHz帯の獲得で公平な競争ができると主張。 |
さらに孫氏は、プラチナバンドである900MHzの重要性について説明。現在、ソフトバンクモバイルが使用している2.1GHz帯と比べ、電波が遠くに飛びやすく、さらに壁のうしろや窓などからの回り込みがしやすいなど、障害物があってもつながりやすいという。またこの帯域は“国際バンド”であるため、これにあらかじめ対応しているiPhone 4やiPhone 4S、iPad 2などでの利用が可能であり、iPhoneのトラフィックが900MHz帯に移ることで、ほかの携帯電話やスマートフォンの品質も改善されるとのこと。
↑900MHz帯は2.1GHz帯と比べ遠くに飛びやすいことから、同じ高さの鉄塔を使ってもより広域をカバーできるとしている。 |
3月発売予定の『PANTONE 4』(105SH)を皮切りとして、今年発売される夏モデルは全機種900MHz帯に対応させる方針であることが明らかになったほか、インフラ整備に関しても、これまで2年で1兆円を投資するとしていたのを、3年で1.55兆円投資する方針に変更すると公表した。電波が利用可能になる7月25日以降、900MHz帯の基地局を急ピッチで整備し、エリアを急拡大していくようだ。
↑今年の夏モデルは全機種900MHz帯に対応するようだ。 |
孫氏は「どこでもつながるソフトバンク」というキャッチフレーズを打ち出し、「今は似合わないが、似合うようにやっていきたい。意地でもやって見せる」と話し、その意気込みを示した。まずは念願のプラチナバンドを手に入れたソフトバンクモバイルの、お手並み拝見といきたい。
↑「どこでもつながるソフトバンク」というキャッチフレーズを打ち出し、プラチナバンド獲得でこの言葉が似合うようやっていきたいと孫氏は話す。 |
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