『leapfest 2012』で9leapを総括! |
2月17日、昨年5月から年末まで行なった25歳以下限定の学生向けスマホ用ミニゲーム開発コンテスト『9leap』の総まとめにあたるイベント『leapfest2012』が秋葉原で開催された。コンテスト前期(5月1日から8月31日)・後期(9月1日から12月31日)それぞれの優秀賞受賞者と、前期後期を通しての最優秀賞受賞者3名が表彰された。また、年齢制限なしの無差別級コンテスト『Openleap』の公開審査会も行なわれた。
当日は開発者はもちろん、ゲーム開発に興味がある学生や40代までの社会人を中心に約100名ほど集まった。トークセッションでは、主催のユビキタスエンターテインメント(UEI)代表取締役社長 兼 CEOの清水亮氏は9leapを始めるきっかけとなったエピソードを皮切りに、多彩なゲストが出演した。
遠藤雅伸氏(ゲームスタジオ代表取締役社長)はゲーム開発におけるプレーヤーのモチベーションの重要性を語り、伊藤博之氏(クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役社長)はゲーム用サウンドツールの紹介をした。田中圭一氏(ウェブテクノロジ・コム コミPo!製作委員会 委員長)は『コミPo!』を活用したゲーム用グラフィック素材の作成、小野憲史氏(国際ゲーム開発者協会(IGDA) 日本支部代表)は開発コミュニティーへの参加呼びかけた。
また、最後にはエンディングセッションとして、アスキー総合研究所所長 遠藤諭と清水氏のトークもあり、独自の視点から日本と海外のゲーム文化について語った。
審査基準は“ハマる”か否か
9leapコンテストは投稿されたゲーム(投稿自体は年齢制限なし)の中から25歳までの学生開発者を対象に、ゲームのプレー回数やプログラミングテクニック、ゲーム内容を審査して優秀賞を決定した。
さらに前期・後期を通しての優秀賞のなかからさら3作品に絞り、最優秀賞が選ばれる。最優秀賞を受賞した若きゲーム開発者3名には、2012年3月5日から9日にかけてサンフランシスコで開催するゲーム開発者向けイベント『Game Developers Conference 2012』視察ツアーへの参加権が贈られた。
なお、受賞作品のポイントだが、プログラミングとしてのゲームのデキも重要だが、題材とするテーマのユニークさやいかにプレーヤーが“ハマる”ゲームシステムにするかが大きなポイントだった。
最優秀賞開発者3名 |
↑左からblankblankさん、akihiro_0228さん、m_zatsuyoさん。 |
【最優秀賞受賞ゲーム】
初音ミクの跳躍 |
作者:blankblankさん |
下る。 |
作者:akihiro_0228さん |
くつ飛ばし KUTSU -TOBASHI- |
作者:m_zatsuyoさん |
なお、惜しくも最優秀賞を逃した前期・後期の優秀賞は以下の通り。最優秀賞もそうだが、すべてスマホ用ミニゲームとして遊びやすく、絶対的におもしろいものばかりだ。
【前期 優秀賞】
pict!!(作者:dangirubaさん)
関連サイト
かけらあつめ(作者:dangirubaさん)
関連サイト
NG WORDS(作者:blankblankさん)
関連サイト
【後期 優秀賞】
いそがしい運動会(作者:BLESSPHEREさん)
関連サイト
ロケットバッティングセンター(作者:hirhiroさん)
関連サイト
2Dらけっとぼーる(作者:shellka7さん)
関連サイト
Openleapの公開審査会 |
続いて、社会人を含めた一般向けのスマホ向けミニゲーム開発コンテスト『Openleap』の公開審査会の模様をレポートする。審査員は清水亮氏ほか、左から南治一徳氏(株式会社ビサイド代表取締役社長)、宝珠山卓志氏(株式会社ディーツーコミュニケーションズ代表取締役社長)長谷部敦氏(月刊ベストギア編集長)、F岡(週刊アスキー総編集長)が務めた。
審査は対象作品をそれぞれレビューしながら、審査委員が0~2点で評価し、合計点数の高いものが選ばれるシステムだ。
結果は『花ちゃんジャンプ』、『ワナゲー』、『洞窟もぐり』、『The Flame Knight』が同点首位の10点を獲得。最後は審査委員の多数決で『花ちゃんジャンプ』が受賞となった。選考ポイントとしては、高得点時に特典グラフィックが出てくるコレクター要素や、ドット絵アニメーションの可愛らしさなどが挙げられた。ゲームプログラミング技術としては、アクションRPG用のサンプルソースを公開している『The Flame Knight』が高評価を得た。なお、『花ちゃんジャンプ』で受賞したhigopageさんは欠席だったが、賞金として50万円が贈られる。
【Openleap受賞作品】
花ちゃんジャンプ |
作者:higopageさん |
9分でスマホゲームを作る『9Minutes CODING BATTLE』 |
イベントではユニークな試みも。制作時間わずか9分間でゲームを作ってそのデキを競う『9Minutes CODING BATTLE』が行なわれた。HTML5プログラマーでトゥギャッターのサイト管理人 吉田としあき氏、UEIの近藤誠氏と高橋諒氏の3人が対決。
バトルでは『leap』をテーマにゲームを9分で開発。さすがに9分間ではきつかったのか、吉田としあき氏はかなりの部分までコードを書き進めたが時間切れ。ただし、完成版は事前に作成済みで、多人数が参加したボスモンスターをスクラッチして倒すゲームを披露した。
近藤誠氏はジャンプゲームを制作、高橋諒氏はなんと3Dエンジンを使用してボールを飛ばすゲームを見事制限時間内で作成。確かに9leapはライブラリが充実しており、短いコードを使って短時間でプログラミングできる優れた言語だが、まさか本当に9分で作れるなんて思わなかった。
9leapは今年も開催予定!
コンテストは2011年で終了したが、サイト自体は引き続き公開しており、若きプログラマー達が作ったスマホゲームを誰でも無料で遊べる。
さらに清水氏は『9leap 2012』の開催決定を宣言。この記事を見てプログラミング魂に火がついた方は今年こそ参加してみてはいかがだろうか? ちなみに9分間でゲームを作り上げた高橋諒氏は、まだ20歳の現役東大生で9leapで使われているメインのゲームエンジン“enchant.js”のWebGL対応プラグインの開発者。さらに、enchant.jsを作った田中諒氏も現役の東大生と、enchant.jsをとりまく開発陣は若きプログラマー達だ。彼が共同著作となる、enchant.js公式本もリリースされたばかりなのでぜひこれからゲームを作りたいと思っている人は参考にしてほしい。
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9leap(関連サイト)
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3,150円
2012年2月21日9:50追記:田中諒さんのお名前を誤って掲載しておりました。まことに申し訳ございませんでした。お詫びして訂正いたします。
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