2012年4月からモバキャス(V-Highマルチメディア放送)を開始するmmbiは、11月29日にモバキャス事業に関する説明会を開催。mmbiに出資するドコモやテレビ局各社の社長など、パートナー企業のトップもそろって出席した。
mmbiの二木治成社長は説明会の冒頭、4月1日より開始するスマホ向け放送サービス“NOTTV(ノッティーヴィー)”の概要を説明。NOTTVの普及のために、“利用しやすい料金と魅力的な番組・コンテンツ”、“サービスエリアの早期構築”、“対応端末の早期普及”という3つの要素が必要と語った。
料金とコンテンツに関しては、3チャンネルのリアルタイム放送と好きなときに視聴できる蓄積型放送を用意し、月額料金を420円に設定。スポーツ中継や音楽など、別途料金を払うことで利用できるプレミアムコンテンツも用意する予定だという。
スマホでの利用を前提としたサービスだけに、単純に番組を視聴するだけでなく、視聴者がツイッターなどのSNSを通じて番組に参加できるほか、視聴者どうしでの情報の共有も可能。映像はケータイなどで視聴できるワンセグの約10倍の画質となり、画面サイズの大きいタブレットでもノイズや劣化なしで楽しめる。
また、4月の放送開始時のサービスエリアは関東、東海、関西など、世帯カバー率で約60パーセントほどだが、3年で90パーセントまで拡大させる見込みとのこと。
対応端末に関して、出席したドコモの山田隆持社長はサービス開始時にスマホとタブレットを1機種ずつ用意すると発表。ドコモの通信網ではなく、独自の放送網で情報を発信するモバキャスが普及することによって、通信トラフィックの緩和に期待を示していた。
さらにドコモでは5月の新機種発表のタイミングでスマホ3機種、タブレット2機種を追加するとし、2012年の冬モデルでは発表する新機種のうち半分がモバキャス対応端末になるとの見通しを示した。
グローバルモデルとしてつくられることの多いスマホだが、山田社長は“おサイフケータイ”のような日本向けの仕様と同じく積極的に推進していく考えを示し、また今後日本と同じモバキャスの規格を採用する国でも普及していくだろうと自信を見せた。
発表会の最後には出席者全員が並んでのフォトセッションが行なわれた。残念ながら今回はテレビ局と連携したコンテンツに関する具体的な発表はなかったが、決まり次第随時発表していくとのこと。
左から電通の橘益夫専務、日本テレビの大久保好男社長、フジテレビの豊田皓社長、mmbiの小牧次郎常務、mmbiの二木治成社長、ドコモの山田隆持社長、スカパーの高田真治社長、TBSの石原俊爾社長。 |
会場の展示ブースに展示してあったNOTTVのデモ機の画面。
テレビ局が制作する番組だけでなく、mmbiも双方向型のコンテンツを配信していくとのこと。放送するリアルタイム番組は、通常のテレビと同様、3チャンネルぶんの番組表で確認できる。
端末を横にすると自動で全画面表示に。液晶の大きいタブレットの画面でも映像をキレイに表示していた。
ケータイにおけるワンセグのように、ほとんどの端末で楽しめるようになるのかどうか、ほかのキャリアの参加も気になるところです。
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