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『K3003』(13万円!)の視聴もできたよ! 『秋のヘッドホン祭2011』は宝の山でした

2011年11月16日 22時49分更新

文● ライター藤本健 編集●相川真由美

 東京・青山でフジヤエイビック主催によるイベント『秋のヘッドホン祭2011』が10月29日に開催されました。回を重ねるごとに出展者数、参加者数もどんどん増えているヘッドホン祭ですが、今回は3フロアを使い、90弱のブースが出展。天候がよかったこともあり、会場全体がずっと満員状態。新製品や話題の製品が展示されているブースにはどこも長蛇の列ができていました。見たところ、30代、40代の男性が大半でしたが、学生と思われる人も多く見られました。ピュアオーディオ系では50代、60代も多く、幅広い年代層に支持される一大イベントに成長した感じ。

 各社自慢のヘッドホンをその場で試聴できるとあって、大半の人たちがiPodやウォークマンなどのプレーヤーを持参。中には、こうしたプレーヤーより1回りも2回りも大きいヘッドホンアンプもいっしょに持ってきて、真剣に音を聴き比べている光景も見られるなど、一般の人からすると、なかなか不思議な催し物だったかもしれないです。

 もちろんヘッドホンの展示が中心ではあるものの、PCオーディオというのも大きなテーマとなっており、USB-DACやオーディオインターフェース、それに関連する各種機材の展示にも人気が集まっていました。また、いくつか用意されたセミナールームでは新製品発表会が行なわれたり、オーディオ評論家による講演も。そして、週刊アスキーの『パソコンが好きだ!』でもお馴染みのサエキけんぞう氏によるトークイベントが行なわれるなど、幅広い内容となっていました。

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 そのヘッドホン祭、今回の大きな目玉のひとつとなったのがソニーのバランスド・アーマチュア・ドライバー(以下BAドライバー)搭載の新型ヘッドホン、『XBAシリーズ』の展示でしょう。従来、BAドライバーを搭載した高性能なカナル型ヘッドホンはシュアやアルティメット・イヤーズといった海外メーカーの製品が中心でしたが、ソニー自らがBAドライバー自体を設計したうえで、初の製品展開を行なうことになったのです。

 リスニング用ではシングルドライバーのものから4つ搭載した最高スペックのものまで4種類。またスポーツ用、Bluetooth対応、ノイズキャンセンリング機能付きまで幅広く展開しています。まだ店頭での展示はされておらず、今回が、一般ユーザーに対しての初お披露目となっただけに、自分の耳で確かめるのを楽しみにしていた人も多かったようです。

 会場でのユーザーの声を聞くと、シングルドライバの製品が聴きやすいという人もいれば、3つ、4つのドライバを搭載した製品は、ワイドレンジで音が聴けていいという人もいるなど、いろいろな意見があったのもおもしろいところ。なお、当初、大半の製品が11月10日の発売予定とされていましたが、タイの洪水の関係で、1ヵ月遅れの12月10日発売となっています。

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 多くの人たちが集まっていたのがハーマンインターナショナルのブース。ここにはAKGの密閉型ヘッドホン『K550』が参考出品されていたほか、9月に発売されたカナル型ヘッドホン、『K3003』が試聴できるようになっていたからでしょう。

 K550は50mmドライバーを搭載した製品で、ドライバー本体や内部ハウジングの空気の流れを調整するポートを装備したことで、低音の再生能力を高めているとのこと。11月中の発売が予定されており、価格は3万円前後になるとのこと。K3003のほうはBAドライバー2本とダイナミックドライバー1本を組み合わせたもの。実売価格13万円というこの製品でどんな音が出るのかと興味をもってくる人も多かったようです。

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 高級ヘッドホンメーカーとして地位を確立したシュアは、今回は同社最高峰のカナル型製品『SE535』のスペシャルエディション、『SE535LTD』を展示。周波数フィルターが音響抵抗の形成とコントロールの一助となり、高域表現がより高められているのが特徴です。また赤いボディーとライトグレーのケーブルというデザインも人気となっていた模様。一方、インナーイヤーに比べると認知度が遅れていたオーバーヘッドタイプの製品も多数展示し、その音の良さをアピールしていました。

 ヘッドホンそのものではありませんが、ヘッドホン祭のUSTREAM番組で新製品発表をするなど、大々的にプロモーションを行なっていたのがフォステクス。

 同社が1月31日発売予定と発表したのがメーカー希望小売価格10万5000円という高級ヘッドホンアンプ『HP-A8』。その音を聴いてみようと30~40分待ちの長い列ができていましたが、このHP-A8は広く使われているポータブルタイプのものではなく、据え置き型。また確かにヘッドホンアンプとしても使えますが、実はPCオーディオ用のUSB-DACとして使えるのが大きな売りであり、Macなら32bit/192kHz、Windowsなら24bit/192kHzまで対応。また本体リアにはSD/SDHCカードスロットを備え、ここに入れたファイルを再生できるといった機能まで搭載されています。しかも、最近話題となってきているDSDフォーマットの高品質オーディオファイルが再生できるとあり、ここに興味が集まっているようでした。

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 同じくDSDフォーマットをHDMI経由で再生できる『HDMI DSD DAC』をラトックシステムが参考出品。PCMフォーマットもHDMIで再生可能で、価格も20~30万円近くになりそうと、かなり高価ですが、DSD周辺は熱い感じ。またティアックは11月発売予定のプリメインアンプ『A-H01』を展示。実売価格4万5000円程度というこの製品は、USB-DACを搭載しているという点で注目を集めているほか、『A-H01』と組み合わせられるiPhone/iPod用ドッキングステーション『DS-H01』もセットで展示を行なっていました。

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 そのほかにも数多くのヘッドホンおよび関連製品が並んでいたが、会場の混雑具合から見ても1日ですべてを回るのはとても不可能。開場から終了まで試聴する人もかなり見られましたが、開催期間をせめて2日にしてほしいといった声も出ていたようです。

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