11月8日深夜、Firefox 最新版『Firefox 8』がリリースされましたが、同じタイミングで、これまで Aurora チャネルで開発されていた 『Firefox 9』が正式にBetaチャネルでの開発に切り替わった模様です。以下、Mozilla Japanのリリースです。
Firefox 9 (Beta) の新機能
PC版の新機能・改良点
●型推論 JavaScript エンジンによる高速化
Firefox 9 では JavaScript エンジンに型推論 (Type Inference) と呼ばれる技術を導入し、Firefox 8 に比べて最大で 45パーセント、Firefox 3.6 に比べれば最大10 倍高速化します。その他、ダウンロードした画像を実際表示するまでデコードしないことでページ読み込みの高速化とメモリ使用量削減を行うなど、パフォーマンス面で大きな改善が行われます。
●HTML5 ビデオファイル再生 UI の改善
Firefox にウィンドウサイズよりも小さいビデオファイルを読み込んだ場合、これまでは白背景のウィンドウ左上でビデオが再生されていました。Firefox 9 からはウィンドウサイズよりも小さいビデオファイルを読み込んだ場合、灰色背景のウィンドウ中央で再生するようになりました。
Android版の新機能・改良点
●Android タブレットへの対応
Android 版ではタブレットに対応し、スマートフォンとタブレットそれぞれに最適なユーザインターフェイスで Firefox を使えるようになります。タブレット版では右にツールバーは表示されず、スターボタンやメニューボタンは右上に表示されます。縦画面表示時にはタブバーは表示されず、左上にタブ切り替えボタンが表示されます。横画面表示時には左にタブバーが表示されますが、タブバーとの境界をスワイプすることで非表示に切り替えられます。
●カメラによる画像キャプチャに対応
これまで Web アプリケーションでは端末のカメラにアクセスして写真を撮ることはできませんでしたが、Firefox 9 では <input type=file accept=image/png> などのタグを用いて写真を撮影できるようになります。JavaScript の大幅な高速化により画像処理も十分可能となってきており、写真を撮り、加工し、アップロードする Web アプリケーションなども簡単に開発できるようになります。
ウェブ開発者向けの改良点
●Eclipse Orion の統合
Web 開発者向けには、開発者ツールに Eclipse Orion というエディタが統合され、JavaScript のコードを読み書きしやすくなります。JavaScript API 面では XMLHttpRequest で chunked data に対応することで大きなデータにアクセスする場合でも応答性の高いアプリケーション開発が可能になったり、Media Fragment URI によって動画や音声の一部分を抜き出して指定することができるようになります。また、ユーザ追跡拒否設定を JavaScript から確認しそれに応じた適切なプライバシー処理を行うことも可能になります。
●関連サイト
mozilla developer street
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