8K製品の噂もちらほら聞こえてきた次世代液晶テレビ。
そんななか、シャープはアイキューブド研究所と共同で、フルハイビジョンの4倍の解像度をもつ新たな『ICC 4K 液晶テレビ』の開発を発表した。
『ICC 4K 液晶テレビ』は、アイキューブド研究所が開発したICC技術を用い、ハイビジョンの映像に奥行や質感をもたせ、4K2Kといわれる3840×2160の解像度を再現している。
発表会では、ハイビジョン液晶テレビと『ICC 4K 液晶テレビ』の試作機を並べ、実際の映像で比較を行なった。
動くたびに揺れる髪の毛の一本一本、ざらついたコンクリートの質感など、ディテールが非常にクリアーになっているのを確認できた。
高精細の鍵を握るのは、ICC。“Integrated Cognitive Creation”(統合脳内クリエーション)というこの技術は、ハイビジョン(1920×1080)の映像信号から3840×2160の4Kの映像を創造するというもの。カメラを通してでなく、人間が直接目にしている映像に近いものを復元することを目的としている。人間がオブジェクトを目で追い、ピントを合わせるといった実際の風景を見た際に肉眼で行なう動きを、大画面の液晶で可能にするという。
↑5月に発表されたICC技術の概念図。実際の風景で受ける“光の刺激”の再現を映像上で行なう。 |
試作機の視聴でも、窓ガラスの向こうに揺れる桜の枝を見て風を感じたり、奥まで続く桜並木に奥行を感じることができた。
シャープでは、『ICC 4K 液晶テレビ』を2012年度のなかばに発売したいとしている。地域や価格などはこれからマーケティングを行なって決めていくとのこと。
↑「シャープの大画面・高精細液晶技術と、ICC技術を融合させることで、新たな映像空間をつくりだし、よりテレビを進化させていきたい」と語る、シャープ執行役員AVシステム開発本部長の寺川雅嗣氏。 |
↑アイキューブド研究所代表取締役社長の近藤哲二郎氏。「単に質感をリアルにしただけではなく、物と物との正しい距離、奥行感をも再現している」。 |
『ICC 4K 液晶テレビ』は、10月4日から幕張メッセで開催される『CEATEC JAPAN』にも出展されるので、ぜひ実際の映像を自分の目で確かめてほしい。
●関連サイト
シャープ
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