●待望のUltrabook基調講演
インテル開発者会議『Intel Developer Forum 2011』(IDF2011)の2日目は、インテル副社長のムーリー・エデン氏による基調講演がありました。
22nmプロセス初のCPU“Ivy Bridge” |
2012年に登場予定の第3世代コアiシリーズ“Ivy Bridge”の説明では、DirectX11対応の内蔵グラフィックスで従来よりも快適なゲームプレーや複数のHD動画を同時再生するデモムービーを流し、その性能をアピール。
ゲームもSandyBridgeより快適!? |
20本のHD動画を同時再生できる高い処理性能 |
Ultrabookの紹介では、講演の檀上に置いてあった大型ノートPCをおもむろに持ち上げ、そのなかからUltrabookを取り出すといった演出で会場を沸かせました。
でかノートと思いきや…… |
なかからUltrabookが! |
Ultrabookに採用されるIvy BridgeのTDPは17Wと現行ノートPC用CPU(TDP 35W)の約半分。パワーが必要な作業を行なうときはターボ技術で一時的に消費電力を上げて対応し、性能を犠牲にすることなく省電力を実現できていて、そのぶんバッテリー駆動時間も長くなるというわけですね。
TDPは現行ノートの約半分 |
休止状態からの高速起動機能を採用 |
また、Ultrabookの高速起動機能“Rapid Start Technology”のデモでは、休止状態から3.5秒ほどで復帰する様子を披露。スリープではなく休止なので電力消費はゼロ。この技術もバッテリーの節約に貢献します。
Windows8がUltrabookにインッ!! |
写真はイメージですが、講演の檀上にもWindows8を採用したUltarabookが展示されていました。スクリーンではスムーズに“タイル”を操るデモを実施。
Windows8採用Ultrabookで動作デモ |
ちょうど『Build Windows』をやってる最中なのであまり珍しくもなかったんですが、近い将来ノートPCはこうなる!的な意味合いでちょっとワクワクしました。
Windows8のログイン画面 |
Windows8のログイン画面にムーリー・エデン氏。なぜかなかなかパスワードが合わず苦労する場面も。 |
Ivy Bridge採用UltrabookのODM版 |
ODMメーカーがデザインしたUltrabook。昨日から会場に展示されてたやつですね。どれも薄型軽量ですけど、そうなると選ぶ決め手はやはりデザインになるんでしょうか。
タブレットにもWindows8 |
タブレットでもWindows8機が登場。こちらは次世代Atom“Medfield”を採用したタブレットで、前日のAndroidへの IA(Intel Architecture)最適化の話と合わせて考えると、インテルはデバイスの種類を問わず、その端末のOSのパフォーマンスを最大に生かせるCPUをつくっていくという感じです。
Windows機でもThunderboltを! |
現在はアップル機でしか採用されていない高速インタフェース“Thunderbolt”ですが、WindowsのUltrabookでも将来的には採用する方向です。一応。
2013年の次世代CPU“Haswell” |
いまだベールに包まれているHaswellですが、ようやく実際のコアがお披露目されました。Sandy BridgeやIvy Bridge同様、細長いダイですね。
Haswellコア初お披露目!! |
Haswell動作デモの様子 |
基調講演を終えて思ったのは、1000ドル以下のUltrabook市場が盛り上がるほど、「買う側からすればどれも同じようなもんじゃん!」ってことになるのでは? ということ。そうなれば価格戦争に突入するか、薄さと軽さ、バッテリー駆動時間以外の勝負、たとえばデザインや独自ソフトなど、そのあたりが選択の重要なポイントになるかもしれませんね。
●ベンチマークセッション
この日のもうひとつの目玉イベントであるベンチマークセッションでは、Sandy Bridge-Eの動作デモが行なわれました。実は純正水冷クーラーを装着した状態で中身を見ることが許されたのはこのタイミングが初めて。
純正簡易水冷クーラーで6コアを冷却 |
デモは動画編集ソフト『Adobe Premiere Pro CS5.5』を使って、4K(4096×2160ドット)で撮影できる超高解像度ビデオカメラ『RED ONE』で撮影した動画を6コア12スレッド動作のSandy Bridge-Eでエンコードするといった内容。
Premiere Proで動画エンコード |
動画エンコード中は12スレッドフル活用 |
こんなん見せられたらちょっと欲しいどころの騒ぎじゃなかったんですが、気になるのはお値段ですよね。純正水冷クーラーと合わせて6万円ぐらいなら……なんて思うんですが。
Sandy Bridge-Eは年末までに登場予定。待ち遠しいですね!
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