●Sandy Bridge世代のCPUが4シリーズ10モデル追加
モデル | 動作 クロック | コア数/ | 3次 | TDP | 予想実売価格 |
Core i5-2320 | 3GHz | 4/4 | 6MB | 95W | 1万6000円前後 |
Core i3-2130 | 3.4GHz | 2/4 | 3MB | 65W | 1万3000円前後 |
Core i3-2125 | 3.3GHz | 2/4 | 3MB | 65W | 1万2500円前後 |
Core i3-2120T | 2.6GHz | 2/4 | 3MB | 35W | 1万1000円前後 |
Pentium G860 | 3GHz | 2/2 | 3MB | 65W | 8000円前後 |
Pentium G630 | 2.7GHz | 2/2 | 3MB | 65W | 7500円前後 |
Pentium G630T | 2.3GHz | 2/2 | 3MB | 35W | 7000円前後 |
Celeron G540 | 2.5GHz | 2/2 | 2MB | 65W | 5000円前後 |
Celeron G530 | 2.4GHz | 2/2 | 2MB | 65W | 4500円前後 |
Celeron G440 | 1.6GHz | 1/1 | 1MB | 35W | 3500円前後 |
インテルはSandy Bridge世代のコアi5、コアi3、ペンティアム、セレロンの4シリーズ10モデルを新たにラインアップに追加した。内蔵グラフィックはIntel HD Graphics 3000のCore i3-2125(3.3GHz)以外のコアi系はIntel HD Graphics 2000だ。ペンティアムとセレロンはコアi系よりもGPUクロックが低いIntel HD Graphicsを採用している。
なんといっても気になるのは3500円前後と現行CPUでは最安クラスの『Celeron G440』(1.6GHz)だ。指標として用意した『Core i5-2405S』(2.5GHz、実売価格1万8000円前後)とともに、早速その性能と用途を探ってみた。
■検証環境
マザーボード:ASRock『Z68 Extreme7 Gen3』(Intel Z68)
メモリー:UMAX『Cetus DCDDR3-8GB-1600OC』(4GB×2)
SSD:Crucial『m4 CT128M4SSD2』(128GB)
光学ドライブ:LITEON『IHES208-27』(BD-R/RE)
電源ユニット:GeIL『THUNDERBOLT PLUS 800W』(80PLUS GOLD)
OS:Windows7 Home Premium(64ビット)
●基本性能は価格相応
Celeron G440 |
Core i5-2405S |
まずはPCの基本性能を総合的に計測するベンチマークソフト『PCMark 7』で検証。Core i5-2405Sは4301スコアーをマークしたのに対し、Celeron G440は1731スコアーと大幅に下回った。まあ、価格差を考えれば当然の結果と言える。
Celeron G440 |
Core i5-2405S(1コアテスト) |
次に『CINEBENCH R11.5』で1コアごとの性能を計測した。Celeron G440は0.61ptsだったのに比べ、Core i5-2405Sは1コアでも1.32ptsと圧倒。3次キャッシュに動作クロックなど、すべての点でCore i5-2405Sのほうがハイスペックなのでこちらも納得だ。
●クイック・シンク・ビデオは使える?
“ハードウェアデコーディング”のみ有効 |
基本性能は予想通りだが、まあ残念な結果だった。しかし、低価格でも“Sandy Bridge”の名を背負うCPU。クイック・シンク・ビデオ(以下、QSV)で高速動画エンコードができるんじゃなかろうかと、サイバーリンクの動画変換ソフト『MediaEspresso 6.5』で試してみた。
まずは設定でQSVの設定が有効になっているかチェックしたところ、“ハードウェアデコーディング”にはチェックがついていたものの、“ハードウェアエンコーディング”は暗転し、有効にできなかった。
ややこしいのだが、一般的に言われる動画エンコードとは、おおざっぱにいうとデコードとエンコード作業を行なう。QSVはこのデコードとエンコードを支援して作業を高速化する機能だが、これではその役目を半分しか果たさないことになる。
なんとも歯切れの悪い気持ちで動画変換作業をスタートすると、一応、右下に同ソフトのクイック・シンク・ビデオが有効になっている印としてインテルのロゴマークが表示された。“ハードウェアデコーディング”支援の効果を確認するため、有効時と無効時でチェック。
Celeron G440(有効) |
Celeron G440(無効) |
Core i5-2405S |
フルHDのAVCHD動画(再生時間3分21秒)をiPhone4用のmp4に変換したが、“ハードウェアデコーディング”支援を無効にした場合は13分30秒かかっていたのが、有効にすると8分23秒まで縮まった。しかし、ハードウェアデコーディングもエンコーディングも有効になるCore i5-2405Sの26秒と比べると、大きく見劣りする結果だ。やはり、低価格CPU相応の性能ということか。
●フルHDのAVCHD動画再生はややコマ落ち
CPU使用率は常に80パーセント超え |
次に試したのはフルHDのAVCHD動画の再生。『Windows Media Player 12』で視聴したところ、CPU使用率は常に80~100パーセントを行ったり来たりで、ややコマ落ちするシーンもあった。ここまでくると、性能はAtomに毛が生えた程度だと言わざるを得ない。そうなるとホームサーバー自作に向いているのかもしれない。
●消費電力はホームサーバー向き
となれば気になるのがシステム全体の消費電力だ。アイドル時で53W、高負荷時でも58Wとその差はわずか5W。これなら動画ストリーミングなどで多少負荷がかかろうが、常時運用でも電気代が悲惨になことにはならないだろう。
結論としては、Celeron G440は低価格マザーと先日安くなったばかりの『Windows Home Server 2011』と組み合わせて、3万円以下のホームサーバー自作を目指すのがオススメだ。1コア1スレッド、低クロックではいかにSandy Bridegアーキテクチャーでも、メインPCとして使うのは得策ではない。機会があれば、2コアのCeleron G530(2.4GHz)なども検証して、メインPC用としても十分に使える低価格Sandy Bridgeの“買い”モデルを再度検討したい。
●追記
※検証環境に使用したSSDを追加しました。
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