新宿タカシマヤ11階催会場で、『第3回新宿クラシックカメラ博』が開催中です。オーストリアや日本全国23店舗が出店するカメラの即売会で、ほとんどフィルムカメラとなりますが、歴史的な逸品や希少なレンズ、ユニークなカタチのカメラがズラリ。なかには1千万円以上の貴重なカメラも販売中です。
ちなみに最近のミラーレスデジカメ機ブームのひとつの理由が“マウント遊び”。多少マニアックですが、アダプターでさまざまな他社製レンズが装着可能で、古いフィルムカメラのレンズを使ってレトロ感のある写真を楽しめるというもの。
会場には各種アダプターや、ジャンクと呼ばれる数千円で購入できるリーズナブルなレンズも多数発売されているので、ミラーレス機ユーザーならこれを機会に“マウント遊び”デビューしてみるのもいいかもしれません。
さて、会場でグッときたカメラをいくつか紹介します。
(※即売会のため、紹介製品はすでに売れてしまっている可能性があります。また傷や保存状態によって同じ製品でも価格が大きく変動するため、販売価格は省略します。ご了承ください)
1948年に発売されたニコン初のカメラ、その名も『ニコンI』。画面サイズが24×32mmという特殊なのも特徴です。(通常の35mmフィルムは24×36mm)。ニコンの歴史、はココから始まったのですよ。
日本が世界に誇る一眼レフの銘機『ニコンF』。交換可能な視野率100パーセントのファインダーにモータードライブなどの豊富な拡張アクセサリーは、銀塩カメラとして現在でも通用する完成度の高さをもっています。この、ペンタ部の“F”のロゴに憧れたカメラ好きも多いはず。(ニコンさん、このデザインでデジカメ出してくれませんかねー?)
そしてこちらのニコン『S3M』は、通常35mmフィルムの半分のサイズ(24×18mm)の画面サイズを採用した、生産台数200台に満たない貴重な製品!! 会場では2台発見できましたが、いずれも価格はオドロキの1千万円前後。
ミノルタの最上位機種『X-1』の海外モデル。同世代のニコン『F2』、キヤノン『F-1』といった強力なライバルの前にセールス面で苦戦しましたが、以降、“ミノルタのフラッグシップは不遇の名機”と呼ばれるきっかけとなったカメラ。
一眼レフのAF化の幕開け、ミノルタαシリーズ最上位モデル『α9000』。電子カメラなのにフィルム巻上げレバーを搭載した貴重な製品なのですが、イマイチ評価されず、またもや不遇の名機の仲間入り。αシリーズを引き継いだソニーには、ぜひ挽回してほしいものです。
ライカと並ぶクラシックカメラ、王道のローライフレックス。その弟分となる『ローライコード』は比較的価格がお手ごろなので狙い目。そういえば、学生のころ、好きだった女の子がこのカメラを使っていたなぁなどとほろ苦い思い出にひたれるのもクラシックカメラの魅力。
ふわっとした甘い描写でファンも多い、ポラロイドの『SX-70』。入手不可能になっていたフィルムが、最近有志によって復刻されたため、再度注目が集まっているカメラでもあります。
現在、デジタルカメラとして発売されている、クラシカルなデザインが人気のオリンパス『PEN』。その元祖シリーズも多数販売中。愛らしいデザインで、今見てもカワイイです。
そのほか、コレクターごころをくすぐるユニークなカメラも多数販売されています。
ハットリカメラブースにあった金色の指輪ふうマイクロカメラ『GF84』。1994年-1998年に発売されたモデルで、全部で107台しか販売されなかったものだとか。撮影用の特殊フィルムは付属しているものの撮影は難しいだろうとのことで、コレクション用に。ドイツの『SIPE』というライター型カメラも珍しい製品。
1958年に製造された日本特殊光機の『Panorax Z1-A』は、35㎜フィルムを使って360度のパノラマ写真を撮影できる、とても珍しいカメラ。
こちらはぐっと最近。1980年に発売された、ケースレスで持ち歩ける、オリンパスの『XA-2』。とにかく気軽に使えるモデルとして人気だったコンパクトカメラです。オリンパスの公式サイトによれば、カメラとしてはじめて通産省グッドデザイン大賞の栄誉に輝いたモデルとか。
駒村商会ブースにあった『ローライ35』の、すべてドイツで仕上げられた貴重な限定モデル、ホワイトマジックシリーズ。35㎜フィルム使用。通常版は比較的手に入れやすい価格で、小さくてカワイイと女性に人気のカメラです。
最後にオカダヤブースで見かけたのが、アメリカ陸軍で使われていたコダックの『Signet35 KE-7』(同じ名前で『KE-7』というライカのカメラが有名ですが、それとはまったくの別物です)。どうでもいい情報ですが、空軍用は黒塗装、一般に売られていたものはシルバーなんだそう。
カメラ博は8月23日~29日(月)まで10時~20時開催(最終日は18時閉場)。珍しいカメラを探しに行くもよし、出張カメラクリニック(有料)で自宅に眠る思い出のカメラを修理するもよし。土日は大判カメラ体験教室なども開催予定です。
第3回『新宿クラシックカメラ博』
http://www.camera.jp/
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります