富士フイルムが3月5日に発売する話題の高級コンパクトデジカメ『FinePix X100』。その魅力を紹介しよう。
撮像素子 | APS-Cサイズ CMOS |
有効画素数 | 1230万画素 |
レンズ | 23mm F2~16 |
液晶ディスプレー | 2.8インチ(約46万ドット) |
サイズ/重量 | 126.5(W)×53.9(D)×74.4(H)mm/約445g |
コンパクトというには、やや大柄に感じるかもしれないが、一般的なデジ一眼と同じAPS-Cサイズの撮像素子と、開放F2と大口径レンズを搭載。デジ一眼の標準キットレンズより約2絞りぶん明るいこのレンズは、撮り比べてみると階調や柔らかさや背景ボケはまるで別物。単焦点レンズでしか味わえない描写だ。
X100で撮影 |
一般的なAPS-Cデジイチで撮影 |
X100で撮影 |
一般的なAPS-Cデジイチで撮影 |
3絞りぶん、光を減量する“NDフィルター”も内蔵しているので、明るい屋外でも絞り開放で撮影することができる。
単焦点レンズはズームのような利便性はないが、被写体にグッと近づいて背景をボカせば望遠レンズのように、奥行きがある構図で遠近感を強調すれば広角レンズのような写真を撮ることができる。創意工夫が必要だが、写真を上達させたいなら断然、単焦点レンズがオススメ。
NDフィルター機能 |
ファインダーは、光学式のプリズムに液晶パネルの像を照射さることで、液晶ビューファインダーを表示できる”ハイブリッドビューファインダー”を採用。
ハイブリッドファインダーのしくみ |
光学ファインダーは肉眼と同様に階調がはっきりと見え、視認性が高い。液晶画面のような表示のタイムラグがないので、撮っていて心地よさを感じる。液晶ビューファインダーなら暗い場所でも明るく表示できたり、マクロ撮影でも正確なフレーミングができる点が便利。
コンパクトデジカメでは液晶ディスプレーで撮影するのが一般的だが、ファインダーをのぞくスタイルだ、余計な視野が遮られるぶん、被写体に集中して撮影することができる。また、カメラをしっかり構えられブレにくいというメリットもある。
また光学式ファインダー上に絞りやシャッタースピード、電子水準器など、従来では不可能だった豊富な撮影情報を表示でき、前面のレバーで液晶ビューファインダーに切り替えることができる。
前面のレバーでファインダーを切り替え |
クラシカルな操作性と高級感のあるボディーも『X100』の魅力だ。絞りやシャッタースピード、露出補正の操作には単独のダイヤルを用意。まるで銀塩時代のカメラのようなたたずまいだ。見た目だけでなく、しっかりとしたクリック感で操作していると気持ちいい。
各種設定にはダイヤルを多用している |
構えると自然と親指に位置に露出補正ダイヤルがあり、ファインダーを覗きならでもスムーズに操作ができる。
露出補正ダイヤル |
また、シャッターボタンにはネジが切ってあり、三脚に固定して撮影するときに昔ながらのケーブルレリーズを装着できる点がうれしい。これはカメラのブレを防ぐメリットがある。電子レリーズやリモコンでなく、このアナログな操作感にこだわったところも昔からのカメラ好きにはたまらないこだわりだ。
シャッターにはネジが切ってある |
アナログなケーブルレリーズを使用可能 |
外装は重厚な雰囲気が漂うマグネシウム合金の金属製で、手にしたときに伝わってくる高級感はプラスチック製ボディーのカメラとは比べものにならない。ダイヤルなど精度の高い動作感で、こだわりを持って丁寧に造られていることがわかり、背面に刻印された“MADE IN JAPAN”の文字が誇らしい。
モノづくり日本、最後の砦はカメラだ! |
同じAPS-C撮像素子搭載の高級コンパクト機としてはシグマ『DPシリーズ』やライカ『X1』というライバル達がいるが、高級感や先進の機能という点では『X100』に軍配があがる。
背面にはダイヤル搭載、液晶も高精細だ |
削りだしのレンズカバーにもこだわりが光る |
昔からのカメラ好きにはもちろん、古き良き時代のカメラを知らない若い世代にも、ぜひ触れて欲しい逸品だ。
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