日本科学未来館の3階常設展示フロアがリニューアル。2つの新規展示が一般公開されています!
“技術革新と未来”エリアに新設された『2050年くらしのかたち』は、“ひとりひとりの願いがつくる未来”がコンセプトの展示。持続可能な社会が実現した2050年の架空都市“いとおか市”を舞台に、理想の社会をつくるために必要な科学技術を楽しく学べます。
この展示で来場者が行なうことは、2つのステップに分けられています。最初のステップでは、いとおか市の模型の周りに設置された操作端末を使用。画面に映し出されるいとおか市の住民たちの話を聞き、その住民が持つ“技カード”を受け取っていきます。……と書くとなんでもなさそうですが、これがやってみるとけっこうおもしろい! 制限時間があるのですが、思わず夢中になって操作してしまいました。約60人いる住民たちを画面に表示する部分では位置認識AR技術が使われていたり、端末の操作はジェスチャーでしたりと、新しい展示手法が採用されているそうです。
いとおか市を歩いて技カードを集めたあとは、別の端末を使っていとおか市の市民になる手続きをします。入場時に受け取ったチケットに書かれたパスコードを入力し、自分の手持ちの技カードからひとつを選択。その後、その技を元にした提案をすることで仕事が与えられ、居住するエリアを選んだら住民票が交付されます。この住民票のサイン欄にタッチパネルを使ってサインしたら、晴れていとおか市民です。
ここでおもしろいのは、自分が選んだ技と提案によって与えられた仕事が、社会にどのような影響を及ぼすのかが提示されること。しかも、よい影響だけでなく、悪い影響も見せられることで、あるひとつの科学技術がもつさまざまな側面を学ぶことができ、理想の社会を実現するための方法を考えることができるわけです。
さて、もうひとつの新規展示は、“情報科学技術と社会”エリアに新設された『アナグラのうた~消えた博士と残された装置』。このエリアのリニューアルは10年ぶりとのこと。
展示の時間設定はいまから1000年後、かつて空間情報科学の博士たちの研究所だった“アナグラ”という場所が舞台です。来場者は入口で入場券を端末に差し込んで、自分の名前を登録。その後、薄暗い展示の中に足を踏み入れると、来場者の足元には“ミー”というキャラクターが表示されます。
このミーは、自分のもつ“情報”を具現化させたものという設定。来場者の位置はレーザーセンサーによって計測されており、アナグラ内での行動はすべて情報となりミーの姿を変化させていきます。つまり、すべての来場者がそれぞれ固有のミーをもつことになるわけです。
アナグラ内では来場者は自由に動き回り、展示されている5つの装置を体験したり映像を見たりすることで、その行動の情報を蓄積します。そして、最後の装置がその情報を元に、来場者ひとりひとりに固有の“うた”を歌ってくれるのです。ここではヤマハのVOCALOID技術が使われているそうです。
とにかくこの展示は、説明を聞くより、まず体験してもらいたいです! 足元にミーが寄り添って付いてくる感じとか、大音量で響く“うた”の自然な歌声とか、ものすごく心地がいいです。もちろん、空間情報科学の重要な技術や問題点などについても学べますし、夏休みも残り少ないですが、小・中学生には特にオススメだと思います。
常設展示の入館料は大人600円、18歳以下200円。10月2日までは、企画展『メイキング・オブ・東京スカイツリー -ようこそ、天空の建設現場へ-』も開催中。こちらは大人1300円、18歳以下500円で常設展示も見学できますよ!
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