グーグルは、次世代の動画クリエーターを育成する“YouTube NextUpプログラム”を発表した。YouTube公式パートナーのなかから、コンテスト形式で入賞者10名を選ぶ。コンテンツ作成のために200万円の支援金の提供や技術研修などのワークショップに参加できる権利が与えられる。応募条件は、日本に拠点を置いている“YouTube公式パートナー”の参加者で、YouTubeで実現したい構想を 3 分以内の動画コンテンツで作成すること。応募締め切りは7月18日の深夜0時。
それにともない、“YouTubeパートナープログラムセミナー”がデジタルハリウッド東京本校で開催された。動画再生4億回をほこり、YouTubeの女性チャンネルで1位で、自身もYouTube公式パートナーでセミナーを受けたことがあるミシェル・ファン氏が視聴者を集める動画の作成について極意を伝えてくれた。
写真はこの日登場した、左からYouTube Content Operationsのアジアパシフィックマネージャーのディビッド・マクドナルド氏。YouTubeコンテンツオペレーションズ&オンラインクリエイター事業部長のトム・ピケット氏。上述のミシェル・ファン氏。YouTube Next Lab 及びオーディエンス拡大担当 グローバル本部長のランス・ポデル氏。司会を務めた、デジタルハリウッド大学 大学院 専任教授の荻野健一氏。
今年で6回目の誕生日を迎えたYouTubeは現在、1分間に48時間もの動画がアップロードしているという。もちろん、すべて観るのはとても不可能だ。
そんななか、YouTubeは新しいスターを育てるためのクリエーター支援を行なっている。それが“YouTube パートナー プログラム”だ。パートナーには、広告対応動画やアクセス解析などのツールが提供。YouTubeを利用するうえで有利になる。日本では'08年4月にはじまり、現在世界で2万人以上のクリエーターが参加している。パートナーはアドセンスによる、広告収入の受け取りも年々増加していて、'08年に比べ4倍になっている。
そのパートナーのなかから次世代のクリエーターを育成する“YouTube NextUp”の参加者が選ばれる。参加できるセミナーでは、動画のつくり方のみならず、SNSの利用によるプロモーションやコミュニティーとの連携方法なども学べる。
プログラムの成功事例として紹介されたのが、ミシェル・ファン氏。彼女は、メイクの仕方などを中心に紹介する女性向けの動画のクリエーターだ。
彼女は元々ブログでも活躍しており、ファンに言われ、'07年に最初のメイク動画を作成した。'09年5月にはレディー・ガガを題材にした動画で2800万再生を果たす。セーラームーンのファンで、コスプレ動画も有名だ。大の日本好きでお寿司屋さんでバイトをしていたことも、今回はじめて日本に来られて感激していた。ちなみに手に持つ端末にはカンペが仕込まれているとか……。
動画を作成するうえで大事なこと、成功の鍵として「努力と情熱」、「日本だけと思わず、グローバルな意識を持つこと」、「スケジュールをしっかりとつくり、毎週その時間と決めたら守る」、「フェイスブックやツイッターなどのコミュニティーでファンとつながりをも4つこと」などをあげた。
セミナー修了後はQ&Aによるトークセッションから抜粋。
---今後の日本での展開は?
1000人規模でパートナーを増やしていき、動画をつくるだけじゃなく、それを仕事にしていく協力をしたい。
---新しい世代には、どんな人を求めているか?
時間を惜しまずにやる人、また腰を据えて定期的に動画をつくる人。
---パートナープログラムに参加するには?
オファーではなく、自分から手を上げてもらうのが先。熱心にやってくれそうな人で、その人のチャンネルを拝見して、いけるか判断する。
---モチベーションを保つ秘訣は?
ゲームをする。映画を観る。人にはスランプもある。自分の能力以上のことはしないようにすること。また、ほかの人とのコラボレーションによって、良いインスピレーションをもらえることがある。
---動画をつくるコツは?
7~8分の動画をつくれるようにトライする。まず自分が観ていて、どこまで飽きずに耐えられるか考える。長い時間のモノよりは、ストーリーがあるかどうか。最初と終わりには良い場面をもってきてほしい。視聴者のアクセス解析ができるので、途中で観るのをやめられてしまった場面などをよく分析する。
---東京につくるラボについて、具体的なアイデアは?
ロスはハリウッドがあるので、ロスらしいラボをつくった。市場やニーズにあったものをつくりたい。コミュニティーがなければダメなので、動画をつくりながら待っていてほしい。
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