さぁ、今年も毎年恒例、年に一度のアップルファンのお祭りWWDCウィークがやってきます。WWDCとは、ワールド・ワイド・デベロッパーズ・カンファレンスの略で、日本語でいえば“アップル世界開発者会議”。例年、このイベント初日の基調講演にて、今年のアップル社のソフトウェア、ハードウェア双方の大きなプロダクト発表があるため、デベロッパーでなくとも大注目のお祭り、というわけです。
ところが、今年が例年になく“珍しい”年です。5/31夜に、基調講演で発表される大きなテーマを、アップル本家自らがリリースとして発表してしまいました。
既に週アスPLUSでも既報のとおり、リリース文によれば今年はこれらのプロダクトについての発表があります。特にiPhoneに関係しそうな注目点をイトー的視点で見ていきましょう。
●iOSの最新版iOS5の発表
開発者向けのプレビュー版リリースも行われていないため、この場の発表が本当最新情報。開発者的視点で考えると、これがいつの時点から正式版ダウンロード開始になるのかは非常に気になるところ。
ある程度の猶予期間がなければ、おそらく追加されるであろう新機能には対応できません。もし即日リリースなんてことになれば、場合によっては仕様変更に伴うアプリ側の不具合が潰し切れない可能性もあります。
個人的予測では、iOS5ではクラウド連携、特にワイヤレスのiTunes同期が加わるのでは、と考えています。数々の点でAndroid端末の一周も二周も先を走るiPhoneですが、「同期にケーブルが必要」という1点だけは、エレガントな設計思想に似合わない欠点です。
Android端末は「すべて無線で同期」は標準機能なので、他OS勢との比較という点でも劣っています。「iTunesでAppを検索→“iPhoneに送る”ボタンで3G回線でAppをプッシュ送信」って、イマドキ出来てないのが不思議でしょ?
すでにMobileMeで基本的なインフラは用意できているわけで、すべてのデータをクラウド経由で無線同期することは、技術的にはさほど難しいことではないはずです。さらに言えば、願わくばこれを無料に!というのが、ユーザーの当然の願いでしょう。
●クラウドサービス『iCloud』の概要発表
そしてもう1つの注目が、このiCloud。ネーミング以外何もわかっておらず、MobileMeとの住み分けがどうなるのかも、まだわかりません。そもそもDropboxのようなストレージ型を指向しているのか、それともウェブ版iPhotoのようなウェブアプリケーションまで含む、広い意味でのクラウドなのかも不明です。
ただ、クラウドというキーワードは今のアップルのプロダクトと恐ろしく相性がいいことは間違いありません。独自路線・独自OSで突っ走るコンピューターと、収益ベースではおそらく世界最強のプラットフォームのスマホを抱え、電話とタブレット双方で成功している。これらが標準機能としてネット経由で連携できれば、自宅のiPhotoで写真を編集し、出先でiPadでチェックしたり、iPad上からさらに修正を加えてクラウド上に戻す、ということもできます。
個人的読みでは、リッチな表現はApp上で実現するほうが制限が少なく動作も速いため、ウェブアプリは使わず、Dropboxのようなストレージサービスの可能性が高いと予測します。そして、iCloudと連携できるiPad版iPhotoの登場を期待。
●今年のワンモアシングは・・・・・・?
スティーブ・ジョブズCEO基調講演最後に必ず出てくる、「ワン・モア・シング」。リリース文にあるように、発表テーマの中にはハードウェアの話題は一切ありません。
プレス関係者の間でも、iPhone5は発表はなさそうだ、というのはほぼ統一見解になっています。私も個人的にアクセサリメーカー筋などから聞いている情報から、可能性は極めて低いと判断してます。
となると、残されるのは「iPhone4の大幅な低価格化」と「SandyBridge化が待たれる新MacBook Airの発売」、それから「新型TimeCapsule」あたりがアヤシイと睨んでいます。もちろん、ソフトウェアやサービス的な何かかもしれませんが。
・・・・・・と、ここまで書いたところで、そろそろ飛行機が出発時間になりました(苦笑)。
本格的な現地中継は、6/6(月)22:00ごろから、後日発表のUstreamアドレスで実施。今年も現地レポとアスキー・メディアワークス(新社屋!)のスタジオからの二元中継でお送りします。お楽しみに! それでは、行ってきます!!
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