『デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’10/第16回AMDアワード』受賞式が今年も明治記念館で開催されました。昨年(平成22年1月1日~12月31日)、日本国内において発売・発表されたデジタルメディアコンテンツおよび最新デジタル技術を駆使して制作された作品に与えられる賞です。
第16回AMDアワードは、無名の少女たちが日本のエンターテインメントシーンを変えるような国民的アイドルになっていくプロセスを見せる企画であり、インターネットを通じてリアルとバーチャルの新市場を創造したとして、AKB48のコンセプトに大賞が贈られました。一部、受賞者のコメントをご紹介します。
●大賞/総務大臣賞『AKB48コンセプト』 秋元康 氏
「AKB48自体が、実はデジタルアイドル」
「素敵な賞をいただきありがとうございます。2004年の12月8日に秋葉原の250人規模の劇場でスタートしたのですが、たぶんその10年前であったらAKBはここまで有名になっていなかったと思います。どんなにその劇場が素晴らしくても、口コミではたぶん時間がかかっただろうと。やはりネットにのって、デジタルにのって広がっていったというのがたぶんAKB48。AKB48自体が実はデジタルアイドルなんだと。」
「その時に僕が会議でよく言っていたのは”刺さる”コンテンツをつくらなくちゃダメだと。つまり、最大公約数を追いかけていても、絶対に勝てないと。”人気”と”認知”は違うんだということ。”認知”が高い、みんなが知っているというもの、それに手を出す人はいない。自分がいいと思うものをどれだけつくるかということ、形にすることができて、そしてそれを皆様に評価していただいて本当にうれしく思います。どうもありがとうございました。」
●AMD理事長賞『ポケットモンスターブラック・ホワイト』
ゲームフリーク(ディレクター 増田順一 氏)
「世界中、1000万人の人がポケモンで遊んでいる」
「このような素晴らしい賞をいただき本当にありがとうございます。3月に欧州のほうでポケモンが発売されまして、4月には韓国で発売されました。現在販売本数的には1000万本を超えたということで、1000万人の人がポケモンを遊んでくれているということが、自分たちにとって大きな励みになりますし、こうして評価されることが非常にここから先、もっと人をつなげていきたいという思いにつながっていきます。よりおもしろいゲーム、そしてデジタルならではの新しいことに挑戦していきたいと思っております。」
●優秀賞『Ustream』 Ustream Asia
(代表取締役社長 中川具隆 氏)
「震災の日、日本の中学生がUstream配信していたのを観て、
”あぁUstreamってイケてるサービスだな”と」
「どうもありがとうございます。昨年Ustream Asiaを立ち上げまして、昨年末に今後期待されるサービスのうちのひとつとして名前が挙がったんですけれども、期待倒れになるんじゃないかといろんな心配をしていたんですが、こういう賞をもらえて非常にうれしい限りです。」
「震災に関して少し触れさせていただきますと、私は震災の日はアメリカのUstream本社に行っておりまして、日本に居なかったんです。メールで日本で大変なことが起こっているということを知りましたが、会社に電話をかけてもつながらない、家に電話をかけてもつながらない。日本はどうなっちゃったんだろう……と心配になった矢先に「Ustreamで今、配信している人がいますよ」と言われて。実は、これは一般のユーザーの方がやられていたNHKの不法配信だったんですけれども、中学生の方がNHKの画面をキャプチャーしてUstreamで流したというのがきっかけで。震災後十数分でそういうことをやられて。私自身、サンフランシスコでそれを観ていて、”あぁ、Ustreamってイケてるサービスだな”って実はそのとき初めて思ったりして。通常だとそういうチャンネルはすぐ止めるんですが、すぐに権利者のNHKの方に連絡をとって、ユーザーの方がこんなことをやっていますけれど、状況が状況ですし、こういった再配信に関しても許諾をしてくださいとお願いをし、すぐにNHKさんにオッケーをいただきました。」
「さまざまな方の創造的なデジタルコンテンツを生み出す場」
「最終的に地上波、ラジオ等13局の方がUstreamを使ってサイマル配信をやっていただけ、2週間で6800万回、100ヵ国以上の人にお届けできました。これもひとえにUstreamのオープンプラットフォームというところで、テレビ局の方、ラジオ局の方も自分のツールとしてお使いいただいたということだと思います。そのあとにはフリージャーナリストの方が地上波ではやらないような切り口からの配信をやられたり、今の時点では一般の方がやられているチャリティーイベントを流されたりということで、さまざまな方の創造的なデジタルコンテンツを生み出すということに対して、それを切らず、落とさず、というところでサポートさせていただいております。こういう活動が認められたのかなぁと。これからも一生懸命頑張ってやっていけたらと思います。」
●優秀賞『Android』 Android Team
(グーグル エンジニア 門間純一 氏)
「今後は情報家電のほうにもプラットフォームを提供して
みなさんの生活が少しでも便利になることを目指します」
「本日はこのような賞をいただき誠にありがとうございます。他のコンテンツの方々と違うのは、我々はどちらかというとプラットフォームのほうをつくっておりまして、今観ていただいたのもタブレットというもので本や映像や音楽ですとか、そういうものを提供するものです。最近は携帯電話とタブレットで、今後いろいろな情報家電のほうにプラットフォームを提供して、みなさんの生活が少しでも便利になるということ、素晴らしいコンテンツを提供していただくのに十分なプラットフォームであるということを目指して、今後も新しい機能や安定したプラットフォームということを提供していきたいと思っています。」
●功労賞『ジャパンエキスポ創立者』
トマ・シルデ氏、ジャン=フランスワ・デュフール氏、サンドリーヌ・デュフール氏、シボ紗江氏
「"Ganbare Japan!"として被災した日本を応援します」
シボ紗江氏「ボンジュール。みなさま、こんにちは。今年はジャパンエキスポを起ち上げて12年となります。そこでこのような賞をいただき、たいへん今後の励みとなります。また今年は特別な年であり、今年の3月11日に大震災がおき、ジャパンエキスポとしてどういうことができるか考えていました。そこで”Ganbare Japan!頑張れ!日本”という企画を立ち上げ、現在、支援金や支援メッセージを集めております。会場でも展示会だったり講演会を行なうことになっています。また、ジャパンエキスポを行なうことも非常に重要なことだとわかりました。今後ともみなさまのご協力よろしくお願いいたします。」
シボ紗江さんはこの日のために、わざわざ東京に来てくださったそうです。
そのほかの受賞作品並びに受賞者の方はこちら。
●優秀賞『IS Parade』KDDI
●優秀賞 映画『告白』告白ポストプロダクションチームおよびスタッフ一同
●優秀賞『コロニーな生活☆PLUS』コロプラ 代表取締役 馬場功淳 氏
●優秀賞『Sony Presents「2010 FIFAワールドカップ南アフリカ3D」』スカパーJSAT、ソニー
●優秀賞『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海とダイヤモンド社
●江並直美賞(新人賞) 児玉裕一 氏
●リージョナル賞『あおもり映像コンテンツ・プロモーション事業』青森県広報広聴課あおおり映像コンテンツ・プロモーション事業担当
受賞者の皆様、おめでとうございます!!
2011年は、どんなわくわくする新しいデジタルコンテンツが誕生するのか、はたまた成長しつつあるのか非常に楽しみです。週刊アスキーは日々、“刺さる”コンテンツを探して発信していきます!
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