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MWC2011:ノキアの姿はなかったけれども……

2011年02月22日 15時24分更新

バルセロナで開催されるモバイルの祭典Mobile World Congressを最速レポ
週アスPLUS:MWC 2011 最強特集

 続々と新製品が登場したMWC2011。世界的なスマホブームと重なり、多数の企業が出展したわけですが、世界最大シェアをもつノキアの姿はありません。

 各社から続々と新製品が登場したMobile World Congress 2011。世界的なスマホブームと重なり、多数の企業が出展したわけですが、世界最大シェアをもつフィンランドのあの企業は、昨年に続き出展を見送っています。

Nokia_MWC
↑MWC2011、ノキアの存在感があったのは、開発プラットフォーム“Qt”のブースくらい……。

 昨年は、会場近郊でプライベートイベントを開催。その席で、インテルと共同で“MeeGo”プラットフォームの発表を行ないました。そのMeeGoはノキアのハイエンド端末プラットフォームとなる予定でしたが、発表から1年たっても搭載製品は出ていません。

Nokia_MWC
↑かつてノキアが陣取っていた“一等地”は、昨年からサムスンのブースに。しかも、その規模は年々増している。

 MWC2011で目立っていた業界全体のテーマのひとつが、スマートフォンを中心としたアプリケーションやサービスのビジネスモデルの構築です。Androidが、iOSが、ということよりも、モバイルインターネットやウェブサービスをどのように提供していくか、といった話題で持ちきりでした。ですが、現状のノキアの“Symbian”スマートフォンでは、この分野でAndroidとiPhoneに大きく差を広げられてしまっています。

 ノキアはMWC2011の開催前にマイクロソフトとの電撃的な提携を発表しました。今後はWindows Phoneをラインナップに取り入れ、スマートフォン戦略の建て直しを図るというのです。MeeGoの開発の遅れとSymbianの進化の停滞が、新たにほかのOSを採用するというこの荒治療に繋がったのでしょう。

 WMC2011ではマイクロソフトのスティーブ・バルマー氏CEOの基調講演に、ノキアの新CEO、スティーブン・エロップ氏が招かれ、MSブースでもノキアに関する話題がよく出ていました。業界全体がノキアの現状とこれからの動きに大きく注目しているのでしょう。

Nokia_MWC
↑来場者が増えつつあるマイクロソフトのブース。ノキア効果の表れ?

 こうしたノキアの現状は、ケータイ市場を取り巻く環境の大きな変化への対応が遅れた結果そのものでしょう。その差を縮めるためにマイクロソフトと手を組むことは悪い選択ではないと思います。もちろんWindowsPhone7はまだ出てきたばかりで、今後マーケットシェアを上げていくためには試練の道が続くかもしれません。

 ですが、ノキアというブランド力の高いメーカーを引き込んだことはプラスに働くハズ。実際、バルセロナの街中の携帯電話ショップでもまだまだノキアの存在感は高く、ここにWindowsPhone7が並ぶようになれば、現在の各スマートフォンメーカーの力関係にも再び大きな変化が起きる可能性は高いでしょう。

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↑会場外で突如現われたノキアのバスを激写! 復活を意味する何かに見えてしかたありませんでした(私には)。

 エロップ新CEOの元で、ノキアはどんなWindwsPhone7をつくっていくのでしょう。同氏は自らの基調講演で「Nokiaの製品は人と人とを繋ぐコミュニケーションの道具」と話しました。この思想を実際の製品に生かすことができれば、ノキア製WindowsPhone7も間違いなく市場で受け入れられるでしょう。ノキア復活は、十分期待できると私は考えています。

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