バルセロナで開催されるモバイルの祭典Mobile World Congressを最速レポ
週アスPLUS:MWC 2011 最強特集
いや~、サムスンの存在感たるや! 疑いようもなく、いま一番輝いているでしょうね。グローバルでは。巨人ノキアのブースをまんま乗っ取ったのも今は昔。それ以上の規模で我々取材班を待ち構えておりました。今はHTCが最大のライバルかしらね。サムスンのバイスプレジデント、Hongsik Cho氏にごく短時間ですが、お話をうかがうことができました。
─ホント絶好調ですよねぇ……。
Hongsik Cho ウチはモトローラさんのようにケータイを発明したとか、大きいことが言える立場ではないのです。それに、この早い変化に対応していくことに必死で、息つく間もありません。重要なのは、サムスンは常にオペレーターと、そしてユーザーを第一に考えているということです。あくまで“携帯電話”ですからね。ドコモは、やはりスゴイとこです。50パーセントのシェアを長期保つということは運ではできない。実力があるからこそです。一緒にやってきて、我々は多くをドコモから学んでいます。
─世界中でGALAXYが売れに売れているわけですが。
Hongsik Cho グローバル展開を念頭に開発してますからね。日本メーカーもそういうフェーズに入ってるでしょう。ガラス(液晶)のタフさも増していますし、世界のスタンダードはもうコレ(タッチ式のスマホ)で決まりでしょうね。
─日本独自のサービスについでは、どうお考えですか?
Hongsik Cho フェリカは簡単だし実績もありますが、我々はあくまでグローバルな展開を目指します。NFCは世界標準ですから。ワンセグは、あまり必要性を感じておりません。
─なんだかモバイルでも“3D”がひとつのキーワードになってきてますけど、お取り組みは?
Hongsik Cho お見せできないのがザンネンですが、スゴイ技術をもっていますよ。しかし、3Dはまだコンテンツも少ないですし、本当にお客さんのほうから求めるタイミングになったら、お出ししようと考えているところです。
─日本市場でサムスンのシェアはいかがですか?
Hongsik Cho むろん、やれるだけやりますよ。ただ、リソースの配分などもありますからね。
─スマートフォンとタブレットの棲み分けについてはいかがお考えですか?
Hongsik Cho タブレットの重要性は、スマートフォンより、さらに自分なりの“コンテンツ”を楽しむデバイスであると思うのです。これはこれで、ひとつのカテゴリーであると。無線LANのみのモデルを用意したのもそういうことです。
─PSP Suiteにはご興味ありますか?
Hongsik Cho オペレーターからの要望次第ですね。あとはお客さんの。
─サムスンの家電との連携は? ケータイだけではもったいなくないですか?
Hongsik Cho 私はケータイの人間なので、また別の人が言うべきと思うのですが、専任の組織があって考えてはいます。簡単にスグ新しいものをというのではなく、“標準”というのを軸に展開していきたい。
─アジア市場ならでは特徴ってありますか?
Hongsik Cho やはり伸び率がスゴイですね。
─Androidとbadaの棲み分けは?
Hongsik Cho OSの“重さ”です。まだまだbadaのほうが全然軽いんです。スペックがうんと落とせる。すなわち、やすくつくれる。新興国向けとか、そういうことではなく、需要があるんです。スマホではないモノに対する需要ですね。
─WindowsPhone7に関しては?
Hongsik Cho ケータイの文化とは、ちょっと違うと思うんです。7はかなりよくなったけど、なかなか厳しい戦いになると思う。全体的に見たら(サムスンのWP7搭載モデルは)まだまだ売れてないです。7の前の(WindowsMobile6.5搭載)OMNIAもよくなかった。これから、Androidのようには広げられないと思う。中身が一緒なのでメーカーとしては差別化もしにくい。
─世界一位を目指してますね?(←コレを聞いたのは山根博士)
Hongsik Cho いえいえ、私は(会社の)トップではないので。そんなことないと思いますよ。気持ちとしてあっても、言わないんじゃないでしょうか(笑)。ただ、我々は社内の技術を積極的に使わなくてはいけないということはないんですよ。(かつて担当していた)メモリーに関しても、そうでした。他社のプロセッサーでも積極的に使っていく。そういう部分で競争力があるとは思っています。
ありがとうございました!
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