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週アスPLUS:MWC 2011 最強特集
MWC 2011の基調講演に、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが登壇した。先週はロンドンでの会見でNOKIAとの戦略的提携を発表したばかりとあって、会場は大入り満員の注目を集めた。この基調講演でバルマーCEOは今後のWindows Phone 7のロードマップを公表。現在はPC向けにRC版(リリース候補バージョン)が配布されているIE9(Internet Explorer 9)が、年内にWindows Phone 7にも搭載されることを明らかにした。
マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO。MWC 2011の基調講演でWindows Phone 7の年内アップデートプランを明らかにした。 |
バルマーCEOによると直近のアップデートは3月前半に行われ、コピー&ペースト機能などが実装される予定。そのほか2011年内に行われる大型アップデートプランとして、IE9の搭載と、SkyDriveへの対応、そしてTwitterとのOSレベルの連携を行うという。
2011年内に実施されるWindows Phone 7のアップデートプラン。IE9の搭載、SkyDriveへの対応、そしてTwitterとのOSレベルの連携が三大ポイントとなる。
IE9の搭載はすなわちHTML5への完全対応を実現するということ。リッチコンテンツなWebページがスマートフォンでも軽快に見られるようになる。ハードウェアアクセラレーションにも対応するので、よりパワフルなプロセッサを搭載したWindows Phone 7モデルならば、一層快適な動作が期待できる。デモを行った同社のコーポレート・バイス・プレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏は、まずPCを使ってIEの9ベータと、FireFox4のベータ、Safari5との動作比較を紹介した。加えて開発中のWindows Phone 7版のIE9とiPhone 4のSafariで、グッピーが遊泳するリッチなHTMLページを表示させ、表示されるグッピーの数の違いや、遊泳速度などの違いなども示してみせ、IE9の強力さをアピールした。
マイクロソフトのコーポレート・バイス・プレジデントであるジョー・ベルフィオーレ氏がIE9やSkyDrive、サムネール化された画面を使って切り替えるマルチタスキングなどのデモを行った。 |
PCを使ったIE9ベータとFireFox4、Safariを比較したデモと、Windows Phone 7とiPhone 4を比較したデモ。
SkyDriveは、Windows Liveのユーザー向けに無償で提供されている25GBのクラウドストレージサービス。Officeの書類をはじめとした各種ファイルをユーザーがマルチプラットフォーム、マルチデバイス環境でクラウド共有できる。Windows向けのOffice 2010はもちろん、Office 2011 for Macと言ったMac OS Xプラットフォームからも利用できるサービスに、Windows Phone 7も加わるというわけだ。ユーザーは利用するWindows Phone 7を使ってOfficeハブから簡単にSkyDrive上に保存してある自分の書類や、シェアされている友人のファイルにアクセスできるようになる。
TwitterのOSレベルでの連携はユーザーにとってだけでなく、開発者側にとっても嬉しいニュースだろう。PeopleハブからはすでにOutlook連携、Facebook連携などが行われているが、これにTwitterが加わる模様だ。期待されるサービスやアプリケーションには、積極的な支援やサポートを行う姿勢をこうした形で見せていると言い換えてもいいかもしれない。バルマーCEOによれば、現在Windows Phone 7向けには8000のAppがあるが、開発者登録を行っている企業や個人は約30,000件。アプリケーション開発のプラットフォームであるMicrosoft Visual Studioは100万回のダウンロードが行われており、開発者にとっても魅力的なプラットフォームであることをあらためて強調した。
Windows Phone 7の開発者登録を行っている企業や個人は約30,000件。アプリケーション開発のプラットフォームであるMicrosoft Visual Studioは100万回のダウンロードが行われている。 |
これらのアップデートプランのなかにはマルチタスキング機能も含まれる。現在動いているAppは、動作画面がそのままサムネール化されてスライド表示される仕組み。 |
また、講演終盤にビデオ映像のみでチラ見せされたのがXbox360との連携だ。昨年のホリデーシーズンに日本を含むワールドワイドで出荷された「コントローラ、ないの?」のCMでお馴染み、Kinectインターフェースで遊ぶプレイヤーと一緒に、Windows Phone 7をコントロラーとして一緒にプレイしているユーザーのビデオ映像が公開されている。ビデオを見る限り、Xbox360とKinectを使って遊んでいるプレイヤーとXboxLiveアカウントのネットワークで接続して、同じゲームに参加するといったイメージ。
今回はチラ見せだったXbox360との連携。Kinectをプレイ中のプレイヤーと一緒に、Windows Phone 7からゲームに参加できるようなデモンストレーションビデオが公開された。こちらの詳細公開の本命は、6月にロサンゼルスで開催されるE3 2011か?
先週の提携会見に続いて、今回はゲストとして登場したNOKIAのCEO、スティーブン・エロップ氏。マイクロソフトとNOKIAの連携をデベロッパ、バイヤー、メディアが集まるこの場所で再度アピールした。 |
いまは9種類のWindows Phone 7端末が30カ国、60のキャリアで提供されている。果たして待望の日本上陸はいつ? IE9ともどもお待ちしています。 |
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