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スーパーボウル XLV (5) チーム会見に潜入、両チームとも平常心を強調

2011年02月04日 16時58分更新

 第45回スーパーボウルまであと3日と迫った2月3日(木)、選手全員が参加する会見が開かれました。4日以降はヘッドコーチ会見のみが行なわれるため、選手に取材できるのは今日が最後になります。

パッカーズは宿泊ホテルで会見

 グリーンベイ・パッカーズの会見は、チームが宿泊しているオムニ・マンダレーホテルで朝8時に始まりました。朝のチームミーティングのあと、練習開始までの時間を会見にあてているのです。

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チームホテルの玄関には、左に WR ドライバー、右に CB ウィリアムズというスター選手の画像が貼られていた。
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会見場へと続く外壁の窓には、ひとつひとつに選手の写真が貼り出され、気分を盛り上げてくれる。

 チーム会見ではまずヘッドコーチの単独会見、次いで主力選手1名の単独会見が行なわれます。パッカーズの会見ではマイク・マッカーシーHC、そしてディフェンスをけん引する CB チャールズ・ウッドソンが登壇しました。

 ダラスを襲っている寒波は、パッカーズの練習にも影響。もとはサザンメソジスト大学(SMU)で練習するはずでしたが、急きょ、ハイランドパーク高校の屋内練習場を利用することになりました。同練習場は建設費 450 万ドルという立派な施設で、マッカーシー HC もフィールドの状態に満足していると語っていました。

 会見でマッカーシー HC は、モメンタム(勢い)の重要さを強調。後半に守勢に回った NFC 決勝を例に挙げ、そのときの経験が、スーパーボウルでモメンタムが揺れ動くときの反応に役立つだろうとのことでした。

 印象的だったのは、目の前の一戦に集中する姿勢。記者から、若い選手が多いパッカーズは今後も有力チームで居続けられるのではとの質問が出ましたが、それに対しては「 その質問はスーパーボウル後に取っておこう。これはとてつもなく重要な試合で、すべてのエネルギーを集中している」と力強く語りました。

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パッカーズのマイク・マッカーシー HC。一昨年の直接対決でスティーラーズがオンサイドキックを失敗したことに触れ、モメンタムが重要だとあらためて指摘していた。

 選手代表として会見に出席した CB チャールズ・ウッドソンは、チームで2人しかいないスーパーボウル経験者です(もう一人は DE ライアン・ピケット)。8年前にレイダーズの一員として出場し、バッカニアーズに敗れています。

 そのウッドソンは、なかにはナーバスになる選手もいるかもしれないが、これはあくまでひとつのフットボールゲームに過ぎないと強調。レギュラーシーズンと同じように準備することにより、いったんキックオフしてしまえば、ふだんの試合と同じように臨めるはずだと、平常心の大事さを説いていました。

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大学ではハイズマン賞、プロでは最優秀守備選手など、個人の栄誉はじゅうぶん手にしたと語るウッドソン。それだけにスーパーボウル優勝というチームの栄誉にこだわっていた。

 選手の会見は、3つの部屋に分かれて行なわれました。2つの大部屋にはそれぞれオフェンスとディフェンスの選手が陣取り、別の部屋には選手一人ずつのスペースが用意され、有力選手が個別インタビューを受けるという形です。

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選手会見に向かう選手たち。ラフなウェアの上にユニフォームを羽織っている。
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ほとんどの選手が20代のためか、スマホ使用率は高い。選手によるとチーム全体では iPhone とアンドロイドが半々だとか。ツイッターをやっている選手も少なくない。

 個別インタビューの一番人気はやはり、QB アーロン・ロジャーズ、ついでベテラン WR のドナルド・ドライバーです。大部屋ではエース WR のグレッグ・ジェニングスや、LB クレイ・マシューズに報道陣が群がっていました。

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エース QB のアーロン・ロジャーズ。前 QB ファーヴに関する質問も多かったが、サラリとかわしていた。
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12年目のベテラン WR ドナルド・ドライバー。2人の QB に恵まれたが、スーパーボウルに連れて行ってくれたのはロジャーズだと語っていた。
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多くの報道陣に囲まれる WR ジェニングス。ここぞというプレーでロングパスをレシーブできる勝負強さが持ち味だ。
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2年目の若き守護神、クレイ・マシューズ。父と叔父は殿堂入りの名選手、祖父も NFL でプレーし、弟は1月に大学王座決定戦に出場というフットボール一家だ。

 いっぽう、控え選手は手持ちぶさたになることが多く、新聞を読んだりスマートフォンを手に時間をつぶします。タイミングによってはスターター級の選手に記者がついていないこともあるのがおもしろいところです。

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CB トラモン・ウィリアムズがインタビューを受ける向かい側で、プロボウル選手の S ニック・コリンズが新聞を読むという光景が見られた。
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ケガで練習を制限している LT チャド・クリフトン。週アスは右の記者からインタビュー風景の写真を撮ってほしいとお願いされました。
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チームで唯一、スティーラーズの在籍経験をもつ FB ジョン・クーン。意外に人気を集めていた。
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新人ながらプレーオフで大活躍を見せた RB ジェームズ・スタークス。オードリー若林が高校時代に同じ背番号だったことから、注目している選手でもある。

スティーラーズは名門大学を会見場に

 ピッツバーグ・スティーラーズの記者会見場は、卒業生にジェッツの RB ラダニアン・トムリンソンがいるフットボールの名門校、テキサスクリスチャン大学(TCU)です。スティーラーズはホテルではなく、チームの練習場で会見を行なっています。

 実際に会見を行なったのは、なんとバスケットコート。ただ大学のコートと言ってもスポーツ大国の米国ですから、日本で言えば代々木第二体育館くらいの規模があります。

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現在スタンドを改装中の TCU スタジアム。正面には伝説的 OB たちの写真が飾られており、右端がジェッツの RB トムリンソンだ。
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大学内の建物とは思えない規模を誇るバスケットコート。朝の練習後に記者会見を行ったため、会見後に選手たちはここで昼食を摂っていた。

 スティーラーズのマイク・トムリン HC は、まだ 38 歳の若きヘッドコーチ。しかしすでに優勝経験ももち、そのたたずまいからは落ち着きと自信を感じさせます。

 そのトムリン HC が口にしていたのも、やはり平常心。スーパーボウルには他の試合と同じ姿勢で臨むと語っていました。ただスーパーボウルが特別な試合であることは否定できず、それに対する気持ちを抑えることの大事さも指摘していました。

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いつも変わらぬテンションで落ち着きを見せるマイク・トムリン HC。ブラック・アイド・ピーズの will.i.am に似ていると思うのは私だけ?

 選手で一番人気だったのは、今回が3度目のスーパーボウルとなるエース QB のベン・ロスリスバーガー。写真を撮るのも大変なほど、報道陣が群がっていました。

 そのロスリスバーガー、火曜日に深夜までピアノバーで飲み食いし、門限を破っていたことが発覚。それに対しては、火曜日の夜にオフェンスラインマンを連れて飲みに行くことが伝統になっていると妙な釈明をしていました。お代は 800 ドルで、200ドルのチップを合わせて 1000 ドル置いてきたというのですから太っ腹です。

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深夜の門限破りを追及されたロスリスバーガー。本人としてはゲン担ぎだそうだが、スーパーボウルに負けたときには蒸し返されるに違いない。
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米韓ハーフで、アジア系唯一のスーパーボウル MVP で知られる WR ハインズ・ウォード。
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おまけ。ダラスは4日未明からまた雪が降り出しました。すでにけっこう積もっています。外はメチャメチャ寒いです。

 なおスティーラーズの会見で、日本人メディアが群がったのが、NFL で唯一の女性トレーナーである磯有理子さん。磯さんのインタビューは稿をあらためて掲載します。

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