週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iPhone People+週アスPLUS 連動企画

iPhoneゲーム開発者インタビュー 第9回 PENQE

2011年02月05日 07時00分更新

※このテキストは2010年10月に発売されたiPhone People誌面企画のために御回答いただいたメールインタビューの全文です。御回答の内容等は当時のものです。
※アプリの価格はAppStoreでお確かめください。
 

 タイトル通りのみずみずしさを感じさせてくれるパズルゲームがある。それが『水まん』というアプリだ。Retinaディスプレイが登場する以前からもグラフィックの美しいゲームはあったが、『水まん』で描かれる和菓子の美しさは、技術というよりもセンスでその上をいくものだった。あらためて、和菓子店をのぞいてみようか。カッコつけすぎだが、そんな気持ちにさせられる1本だ。

 

●SELF SELECTION

水まん
水まん
App Storeはこちら→水まん
Lite版はこちら→Mizu Man Lite
(C)PENQE

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 実はこのアプリ、10年ほど前にMac用アプリケーションとしてリリースしまして、とても御好評いただいていました。iPhone版をリリースしたところ昔のアプリを覚えてくださる方がいて、とてもうれしかったです。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 ゲームタイトルの『水まん』は「水まんじゅう」(全国的には葛まんじゅうや葛桜と呼ばれているようです)のことで、和菓子をモチーフにしています。身びいきもあるかもしれませんが、世界的に見ても和菓子はとても美しいです。姿ももちろんですが、高いレベルでの季節感の取り込み他にはないと思います。ぜひ海外の方に触れて頂いて、日本についてもっと関心を持ってもらいたい、というのが影の狙いです。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。

 ゲーム性は今となっては新規性は薄いとは思っています。特徴は和菓子というモチーフを軸に演出を組み立てていることです。ステージ構成は「四季」に基づき、季節折々の和菓子が登場します。あとなにげに効果音にも力を入れています。楽器を奏でるような操作、というものをイメージして設計しました。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 よりゲーム性を高めるようなルールを考えています。演出ももっと力入れたいです。とにかく演出考えるのが好きなので。和菓子屋さんとコラボレーションできれば……と夢想しています。

 

Qube Logic
Qube Logic
App Storeはこちら→Qube Logic - cubic logic puzzle
Lite版はこちら→Qube Logic Lite
(C)PENQE

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 歩いてたら頭に降りてきました。「イラストロジックゲームを立体にしたらいけるんじゃないか」と。あとになって業界ナンバーワンの企業さんが同様のゲームをDSで出しているのを知りました。知っていたら作らなかったです。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 隙間時間の暇つぶしです。UIも気軽に遊べることを念頭に設計してます。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。

 立体、というのが一番の違いです。あと、カラーになってるのもとても少ないと思います。そしてその結果、出来上がりの絵(このゲームの場合は立体ですが)がいい感じなのも特徴になってます。くだんのDSのゲームよりいいのではないかと、ひそかに自負しています。
 実際絵作りはとても時間をかけていて、システム開発の倍くらいかかりました。

 ちなみに作問には『ElectroMaster』の作者さんの『Solid Dots』というiPhoneアプリを使っています。

 操作性はなるべく簡単であるように気を使ってます。そのひとつに答えが自明な升目は自動的に解答するようにしているのですが、だからなのか簡単すぎる、というご意見も頂いています。以前作ったアプリで操作の冗長性や難しさを強く指摘されていたがゆえの判断なのですが、難しいです。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 とりあえず問題を増やしたいと思います。理想は日めくりカレンダーになるくらい。開発のハードルは高いのですが、作問機能も面白いと思っています。あと iPad に対応させたいです。

 

CloqWork
CloqWork
App Storeはこちら→CloqWork
iPad版はこちら→CloqWork
(C)PENQE

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 ともかく時計を作りたい、ということではじめました。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 置き時計としてです。とくに iPad で見ていただきたいです。ぼーっと見てるとなんだか引き込まれる、そんな感じになっていると思います。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。

 あえてなのですが、時計としての機能は貧弱です。一方、演出に力を入れています。オディロン・ルドンや有元利夫さんといった方々の幻想的な絵画が好きなのですが、自分なりに幻想的な世界をアプリの中に持ち込んでいます。一葉の絵画として見て頂きたいです。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 プロの方にお願いしてBGMやサウンドエフェクトをつける予定です。
 演出面も随時強化します。楽しんで演出を考えています。

 

●iPhone一般に関する質問

【1】以降、一般的な質問です。まず、iPhoneアプリを作ってみようと思われたきっかけをお聞かせください。

 いっとう最初に『語源さんから英語ちゃん』という、語源から英単語を学習するアプリを作ったのですが、これを作りたかったからです。大学を出て以来約10年に渡り手がけている作品で、プログラミングもいわばこの作品の実現のために学んだようなものです。アウトプットは変遷を繰り返して直近ではFlashかウェブアプリにしようと思ってたのですが、iPhone登場でこちらにしました。

【2】他のプラットフォームとは違う、iPhoneアプリ開発の魅力をお聞かせください。逆に魅力ではなく、苦労される点もあれば、お聞かせください。

 ウェブデザインが本業で、普段はJavascriptやFlashでウェブブラウザで動くコンテンツを作っています。むかしはMacromedia Directorというマルチメディア制作アプリを使っていました。
 作りやすさで言えば、馴れのある上記環境の方が遥かに上です。
 一方でiPhoneは市場が整備されていて、世間のアピール力が強いのが魅力です。

 iPhone そのものが訴求力の強いガジェット、というのもいいですね。

【3】現状のiPhone市場について感じられていることをお聞かせください。

 あついなー、と感じます。競合が多くて大変ですが、やりがいはあります。世界市場なのも魅力です。『CloqWork』という時計アプリを作ったのですが、これがきっかけでフィンランド人のミュージシャンとコラボレーションする事になりました。すごくうれしい出会いです。

【4】現状のiPhoneユーザーについて、どのような層をイメージされていますか? また、それにあわせたタイトルをリリースしようとお考えですか?

 この点はあまり気にかけていません。自分のやりたい、あるいは作りたいアプリを作っています。

【5】iPhone市場の今後は、どのようになるとお考えですか?

 展望というよりは期待ですが、私のような零細デベロッパーが今後もやって行けるような市場である事を望みます。

 メディアは身体を拡張する、という説がありますが、iPhone はまさにそういった装置だと思っています。既存の携帯ゲーム機と比べると、ゲームだけじゃなしに様々な場面で活用でき、ユーザーとの密着度が大きく異なります。僕はゲームが好きでこれからも作り続けて行きますが、身体の拡張というか、新しい経験をさせてくれる装置、という方向でも展開してきたいです。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります