ラスベガスで開催される世界最大級の国際家電ショーと新製品をレポ!
週アスPLUS:CES 2011 最強特集
昨年、10月にEU圏などで発売が開始されたWindows Phone 7。11月には米国内での発売も行われ、昨年2月の発表時の約束、2010年のホリデーシーズンの発売という約束も達成されている。
Windows Phone 7は、ソフトウェア開発を短期間でかつ、メーカーとの作業と平行して行うため、CPUや液晶解像度などのソフトウェア仕様に関わる部分を固定している。このため、現時点ではほとんどの機種の基本スペックが同一となってる。これは、“シャシー戦略”などとよばれ、車の開発で下のシャシー部分を共通化、上の乗せるボディーや内装で車を作り分けるというのと同じだ。
ほぼ共通のハードウェアであるため、マイクロソフト側は、このスペックに合わせたバージョンのみを開発すればよく、メーカー側もこの仕様に合わせてハードウェアの開発を平行して行えるため、2月に正式発表したあと、ソフトウェアは9月に完成、搭載した製品は10月に発売というスケジュールが達成できた。
ただ、共通仕様であるために、バリエーション感に乏しく、また筐体デザインなどにはメーカーの自由があるものの、液晶解像度が480×800ドットと固定されており、このために基本的には縦長の筐体となってしまうといった問題が指摘されている。デザイン自体には大きなバリエーションはないが、たとえばキーボード内蔵といった機構の違いなどでバリエーションをつけることは不可能ではない。
Windows Phone 7では、メーカーが独自のソフトウェアを搭載することは可能だが、GUIのカスタマイズも原則禁止されており、基本的な操作はすべて同じ。アプリケーションランチャーがシェルとなる他のプラットフォームと比較して、ホーム画面には、情報表示と利用頻度の高い機能が縦にタイル状に配置されるという独自のユーザーインターフェースを持つ。また、ソフトウェアは、マイクロソフトの運営するMarket Placeのみから可能で、任意のWebサイトからダウンロードして実行といったことは不可能になっている。
現時点で全世界で発売/アナウンスされているWidnows Phone 7は9機種。このうち7機種がCES 2011のマイクロソフトブースに展示されていた。ここでは、その7機種を見ていくことにしよう。
Windows Phone 7は、短期間で開発を行うため、ほぼ共通の仕様を採用している。このため、以下のスペックでは共通仕様である部分は省いている。
■DELL Venue Pro
DELL Venue Proは、縦スライドでフルキーボードを内蔵するタイプ。 |
キーボード部のアップ。キートップはゆるやかな曲線になっていて指先の感覚でキー位置を知ることも可能。 |
DELL社のVenue Proは、縦スライド方式のフルキーボード内蔵タイプ。米国ではT-Mobileが扱う。縦スライドなので、キーボードは横スライド方式よりも小さくなるものの、キーボード利用時に画面を縦のまま利用できるというメリッとかある。小さなキーは、押しにくそうだがキートップ中央部分が盛り上がった緩い曲面となっていて、親指でも比較的押しやすく、間違ってとなりのキーを押してしまうようなことはなかった。
- ディスプレイ: 4.1インチ
- CPU: Qualcomm QSD8250(1GHz)
- カメラ:5メガピクセル、オートフォーカス
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)900/2100
- 駆動時間: スタンバイ14日以上(通話7時間)
■HTC HD7
HTC HD 7は、4.3インチと比較的大きなディスプレイを搭載している。 |
HTCのHD7は、米国ではT-Mobileが扱う。Windows Mobile 6.5を搭載していたHD2の後継ともいえる機種だが、ハードキーがなくなりデザインはシンプルになった。4.3インチの比較的大きなディスプレイを採用しており、表示は見やすい。また、カメラ部分のベゼルがヒンジで開いてスタンドになる。
- ディスプレイ: 4.3インチ
- カメラ:5メガピクセル、デュアルLEDフラッシュ
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)1700/2100
- 駆動時間: スタンバイ14日以上(通話6時間)
■HTC Mozart
HTC Mozartは、カメラ機能を強化したWindows Phone 7マシン。 |
背面のカメラの脇にあるのはLEDではなく、普通のカメラにもついているキセノンフラッシュ。 |
HTC Mozartは、米国内では発売されておらず、EU圏、アジア圏での販売が行われている。HD7と比べると液晶が小さくコンパクトな印象を受ける。この機種だけはカメラが8メガピクセルで、通常のデジカメなどと同じくキセノンフラッシュを搭載している。バッテリへの影響はあるものの、写真を撮るという点では、LEDフラッシュよりも明るいため、撮影可能範囲は広くなる。なお、このためか、HD7よりも大きな1300mAhのバッテリを搭載している。
- ディスプレイ: 3.7インチ
- カメラ:8メガピクセル、オートフォーカス、キセノンフラッシュ
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)900/2100
- 駆動時間: スタンバイ18日以上(通話6.8時間)
■HTC Surround
HTC Surroundは、横スライドさせるとスピーカー部が出てくる構造になっている。 |
スライドさせると裏側にスタンドがある。板状の部品を引き出し、これを使って横置きで立てておくことができる。 |
HTC Surroundは、本体を横にスライドさせるとスピーカーが現れる。音楽再生を指向した機種だ。また、スライドした液晶側にスタンドが格納されており、机の上に横向きにたてておくことが可能。映画などの長時間動画を再生させるときに手で持ち続ける必要がない。Dolby MobileとSRS WOW HDを搭載、バーチャルサラウンド再生ができる。
- ディスプレイ: 3.8インチ
- カメラ:5メガピクセル、オートフォーカス、フラッシュ
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)850/1900/2100
- 駆動時間: スタンバイ11日以上(通話4時間)
■LG Quantum
LG Quantumは、横スライド式のフルキーボードを装備したWindows Phone 7マシン。 |
フルキーボード部は、キーが独立したセパレートタイプ。両手で持って親指でキー入力を行う。 |
LG Quantumは、横スライド式のフルキーボードを搭載している。フルキーボードは、最近のノートPCにも見られるセパレート型のキートップを持ち、キートップはフラットながら、比較的押しやすい。また、DLNAに対応した「Play To」ソフトウェアを内蔵し、無線LAN経由で家庭内のDLNA機器と連携が可能だ。
- ディスプレイ: 3.5インチ
- カメラ:5メガピクセル、オートフォーカス、パノラマ撮影機能
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)900/1900/2100
- 駆動時間: スタンバイ19日以上(通話7時間)
■Samsung Focus
Samsung Focusは、Super AMOLEDを採用したマシン。薄型で軽量なのが特徴。 |
背面は両脇の角が落としてあり、同じメーカーのOmnia 7よりも1ミリ程度薄くなっている。 |
SamsungのFocusは、同社のSuper AMOLEDを搭載している。ディスプレイサイズが4インチと比較的大きく、発色の良さもあって画面が見やすい。また、厚さ10ミリと薄く作られており、115グラムと軽量に仕上がっている。通話時には、周囲からのノイズを除去する「Audience Noise Reduction」機能により、明瞭な貝和が可能だという。
- ディスプレイ: 4.0インチ
- カメラ:5メガピクセル、オートフォーカス、LEDフラッシュ
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)850/1900/2100
- 駆動時間: スタンバイ15日以上(通話7時間)
■Samsung Omnia 7
Samsung Omnia 7は、直線的デザインにSuper AMOLEDを採用したマシン。 |
Samsung Omnia 7も、4インチのSuper AMOLEDを搭載。きれいな発色で画面が見やすい。カメラがオートフォーカス機構を持ち、手ぶれ防止機構も組み込まれており、この点で、Focusと違いを見せている。また、Focusが曲線的なシルエットを持つのに対して、Omnia 7は、上下が直線的で見た目の印象を変えている。
- ディスプレイ: 4.0インチ
- カメラ:5メガピクセル、オートフォーカス、LEDフラッシュ、手ぶれ防止
- 対応ネットワーク:GSM 850/900/1800/1900、3G(UMTS)900/1900/2100
- 駆動時間: スタンバイ13.5日以上(通話8.5時間)
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