シンガーソングライター高畠俊太郎がニューアルバム『transfer in flowing lights』を12月22日に発表します。ULTRA POP、PINTERなどのバンドを経て、キャリアも約20年という彼の4年ぶりの新作ということで注目が集まる中。ひと足先に聴かせていただきました。
まず一聴した感想は“人間の憂いの部分をグッと押し上げて希望に昇華してくれるアルバムである”ということ。ごくごく、ありふれたリアルな日常を歌いながら、その中に隠れるちょっとした幸せや悲しみを丁寧に描く。そして雨や都会の夜などふと孤独を感じる瞬間を切り取りながらも柔らかな歌声で、優しく生きることを後押ししてくれるような1枚でした。色褪せたカラー写真的な雰囲気を持った過去の恋を歌う『beautiful days』や、ちょっとした遊び心が感じられる『confortrable』、そして確かな説得力で自分の中の愛を歌う『I just think』など全8曲を収録しています。
アルバムタイトル『transfer in flowing lights』は直訳すると“流れる光の中の移動”という意味。ライブなどで各地を転々とする本人を形容した言葉なのだろうけれど、個人的には交差点のイメージが浮かびました。交差点を車の光が流れるように、人生の交差点をそれぞれの思い出が浮かび、消え、流れていく。さまざまな出会いと別れの繰り返しなどをひとつの光に例え、人生の空しさと面白さ、魂の儚さと強さを表現しているような印象。そんな中に共通するのは前を向き、生きようというメッセージ。なんだか当たり前ながら日々忘れがちなことを思い出させてくれたような気がします。
高畠俊太郎の“今の音楽”が詰め込まれた今作。師走の忙しいこの時期にこそ今年1年の自分の思い出と重ねあわせながら肌寒い冬空の下や、家路につく途中など、ひとりになれる時間にじっくり味わいながら聴いてみてはいかがでしょうか。きっと何か大切なものに気づかされるはずです!
高畠俊太郎『transfer in flowing lights』
●12月22日発売 ●2000円 ●new fine records ●http://www.shuntaro-takabatake.com/
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