既報の通り、2010年9月15日、マイクロソフトは米・サンフランシスコにおいて、イベント『BEAUTY OF THE WEB CELEBRATION』を開催。Internet Explorer 9 Betaの公開を発表した。
ベータ版は同日午前10時30分に各国語が公開され、すでにダウンロード可能な状態になっている。さらに、日本語サイトもオープンし、ダウンロードページでは、日本語版を含む各国語版を入手できる。
各言語版ともに、Windwos Vista 32bit版、Windows7 32bit版、Windows7 64bit版の3種類が用意され、環境に応じたものをダウンロードする。32bitと64bitの区別は、インストールするOSのバージョンであり、IE9そのもののバージョンではない点に注意したい。ダウンロードしたセットアッププログラムを実行すると、IE9ベータ本体とともに、Windowsに関するさまざまな更新プログラムのインストールが行なわれ、再起動後に使えるようになる。
既存のIE8とは共存はできないが、コントロールパネルの“プログラムと機能”で、“インストールされた更新プログラム”としてリストアップされるので、ここからアンインストールできる。丸一日使ってみた印象では、安定度は高く、常用にも耐えそうだ。
発表イベントのタイトル『BEAUTY OF THE WEB』からも想像できるように、今回のIE9のテーマは“美しさ”だ。イベントは、米サンフランシスコダウンタウンのはずれのエリアにあるSan Francisco Design CenterのConcourse Exhibition Centerで行なわれた。会場には、全世界から約170名のプレスと、約70名の早期対応パートナーが集まり、IE9ベータの登場とそのこれからに喝采を送った。
イベントのホストとして登壇したマイクロソフトのディーン・ハチャモビッチ(Corporate Vice President, Internet Explorer Team)は、「ブラウザーはステージだ」と強調。「これまで15年間にわたってブラウザーを使い続けてきたが、そこでは機能の追求ばかりに目が向けられ、その存在感の主張をわずらわしく思うユーザーも少なくなかった」と話を切り出した。
IE9は、高機能でありながら、ブラウザーそのもの主張は最小限で、人々が見たいのは、ブラウザーという箱の中に展開されるサイトの世界であって、ブラウザーを見たいのではないことをアピールした。
IE9は、Windows7のタスクバーとエアロスナップを有効に活用した最初のブラウザーでもある。タブブラウザーであることは従来どおりだが、そのタブをボタンとしてタスクバーにピンしたり、タブをつかんでデスクトップの上下左右にスナップしたりできる。
また、アドレスバーと検索バーが統合され“ワンボックス”と呼ばれるようになるなど、全体的に極めてすっきりしたルック&フィールが特徴だ。Windows7とのシームレスな統合は、今後、ブラウザーの存在を感じさせないウェブアプレットが、どんどん登場してくることを予感させる。
目玉としては、HTML5への対応、PCのGPUを最大限に生かしたハードウェアアクセラレートによるパフォーマンス向上、そして、まるでネイティブアプリケーションのようなウェブサイトを構築できる点がある。マルチコアが利用できる場合は積極的に使い、新しいJavaScriptインタープリターの実行速度が劇的に向上しているという。
デモンストレーションを交えたスピーチの終了後は、ステージの裏手に、パートナー各社によるパビリオンがお披露目され、新世代のブラウザにいち早く対応した各社の自信作をプレビューできた。
日本からは、ヤフー株式会社のTRENDLINE(http://ie9demo.yahoo.co.jp/)とBusiness Architects(http://www.theshodo.com/)が出展し、海外のプレスからも注目を集めていた。両社を含め、各社のサイトはすでにオープンしていて、IE9を使うことで、すぐにその新世代ウェブを体験できる。
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