週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Windows Phone 7の真実(Mobile World Congress 2010続報)

2010年02月18日 17時18分更新

 今回のMWC目玉トピックのひとつであるマイクロソフトの『Windows Phone 7 Series』。CEから続くWindows Mobileのバージョンアップではなく、新シリーズとして1からつくった携帯プラットフォーム向けOSとして大々的に発表されたわけですが、発売もちょい先(今年のホリデーシーズン、日本はおそらくもっと先)だし、いまいちわからん部分もたくさんあります。
 そこで、昨年の6.5ローンチのときにもご登場いただきました、おなじみMS越川部長が、たまたまスペインの街を歩いていらっしゃったので、気になる部分をズバリ直撃しちゃいました!

MSの越川部長
Windows Phone 7の真実(Mibile World Congress 2010続報)
↑ツイッターでルー大柴さんの親戚であることを明かすや否や、フォロワーが倍増したそうです。よく見ると似てる?

――まず、7の魅力を越川部長の口から是非☆
 誰でも指でササッと直感的に扱えるUIにつきます。メニュー画面は以下から構成され、各サービスやアプリと連携させることができます。これらは“ハブ”と呼ばれます。
 
 

その1=ピープル ハブ
MWC MS Windows Phone 7
「これまで専用アプリを起動して行なっていたメールやSNS、ツイッターの情報などを人物からたどってまとめて“タイル”で一覧できます」
その2=ピクチャー ハブ
MWC MS Windows Phone 7
「ローカルのギャラリーとウェブサービス上のギャラリーを、同じように扱えます。端末カメラで撮影した画像のポストも行なえます」
その3=オフィス ハブ
MWC MS Windows Phone 7
「MSオフィスの文書を作成、編集、管理できます。シェアポイント対応なので、VPNを経由せず社内文書にアクセスも可能です」
その4=ゲーム ハブ
MWC MS Windows Phone 7
「Xbox LIVEの機能をサポートします。Xbox 360のアバターを編集することも可能になります」
その5=ミュージック+ビデオ ハブ
MWC MS Windows Phone 7
「音楽プレーヤー『Zune』ほぼそのままの機能です。専用クライアントソフト、クラウドサービスを用いコンテンツを管理できます」

その6=アプリケーション ハブ

「マーケットプレイスで購入したアプリやXbox以外のゲームを扱います」

――6.5以前は高速なCPUでUIのパフォーマンスを引き出すという、PC的なアプローチでした。今回はハードとソフトの統合について、いかがでしょうか?
 iPhoneは特別高速なCPUを搭載しているわけではありませんが、快適さに定評があります。これはソフトとハードの完璧なチューンによって実現できることです。我々は複数のベンダーが対象なので、両者の統合について、ともに共通化する部分を設けることで実現します。ハードに求める部分はクルマの構造に例え“シャーシ”と読んでいます。シャーシにはメモリーやCPU、静電式タッチ液晶などが必須条件となりますが、詳細は調整中です。規格を定めることにより、各ハードウェアベンダーには部材調達が容易になる、低価格な端末を提供しやすくなる、開発期間が短縮できるといったメリットが発生します。むろん、ソフトウェアの動作環境も統一されてくるので、アプリケーションのリリースにかかる期間やコストも短縮化できるでしょう。

――シャーシが決まってしまうと、各端末の独自性が削がれそうに思えるのですが……。
 我々は、開発者の創造力を止めることは決してやりません。Windows Phone 7“Series”としているように、いろんな形状の端末が出てくるよう、期待を込めて柔軟性をもたせてあります。キーボードを搭載した端末も、もちろん出てきますし、ゲーム機型、音楽プレーヤー型など可能性はいろいろ考えられます。

――会場には6.5ベースのOSにシェルをかぶせているものが目立ちました。7でも同様になるのでしょうか?
 実は、7にはシェルといった独自UIはかぶせられません。これだと、メーカーが差別化できないという面も確かにあります。しかし、UIの開発は非常にコストがかかり、納期にも影響が出ます。7の新UIはシンプルかつ機能的で、シェルを必要としないよう意識しています。

――HTCなどはアンドロイドとも共通のガジェットを採用していますが、ガジェットは?
 これも未定です。

――そうそ、7ってマルチタスクなのでしょうか?
 現時点ではお話しできないんですよ。何をもって“マルチタスク”とするか、で、答えも変わってくると思います……。

――今後、7と6.5はどういう関係になっていくのでしょう?
 6.Xシリーズも革新は続きます。実は、Windows Mobileのバージョン6.5.3をアナウンスする予定なのですが、すでにMWCに展示されてしまいまして^^; 片手で使いやすいようUIに若干手を入れたほか、IEのレンダリング速度の改善、静電式タッチパネルへの対応などがなされています。

――でも6.99になったら、あとがないじゃないですか?
 そうですね、ブランド名を変えることも検討しています。

会場に展示されていたWindows Mobile 6.5.3搭載端末

東芝 K01
MWC MS Windows Phone 7
↑4.1インチのワイド液晶を搭載。スライド式フルキーボードを搭載しながらも、約12.9ミリという薄さが特徴です。
HTC HD mini
MWC MS Windows Phone 7
↑3.2インチ液晶を搭載した『HD2』の小型版。Windows Mobile 6.5.3に独自の“Sense UI”シェルをかぶせてます。

 7も楽しみですが、6.5.3も是非日本で出てほしいですね。ん~、楽しみがいっぱい。もちろん、週アスでは引き続きWindows Phoneの動向をチェックしてまいりますよ!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります