独創的なiPhone向けワークアプリ『ZeptoPad』やアウトラインプロセッサー『ZeptoLiner』などでおなじみのユビキタスエンターテインメント(UEI)から、今度はiPhone向けの本格ゲームが登場。AQインタラクティブとの業務提携によるゲームブランド『出雲芸神』第1弾として選んだジャンルは、“シューティング”。
UEIといえば、ピリッとしたアイデアを盛り込んだアプリをリリースするデベロッパーという印象が強い。 今度はどんな手でくるのか・・・・・・と期待しつつ同社にうかがったところ、代表取締役社長の清水氏は開口一番、「いやー、つまらないですよ」。え? つまらないってどういうコト!? その言葉のウラにある真意と、注目のゲームプレー動画は以下から。
【追記】
UEIより、4/16から公開開始するとの一報が入電。楽しみですね。
↑ユビキタスエンターテインメントの代表取締役社長、清水亮氏。同社は、iPhoneアプリに参入している独立系デベロッパーのなかでも、とりわけ精力的に活動しているメーカーのひとつ。
――いきなりのジャブにびっくりしたんですけど、さっきおっしゃった「つまらない」というのは一体どういう意味なんですか?
清水「プレーしてもらったらわかると思いますけど、ある意味フツーのゲームなんですよ。もちろん、そこに至る伏線というのがあるわけですけど。
なにしろiPhoneってスペックが凄く高いじゃないですか。このスペックを生かしたゲームを僕らがいきなりから作れるかは、正直よくわからなかった。ゲーム開発の経験はもちろんあるけど、ケータイだったから。ケータイとiPhoneの作り方の違いも、(実際にやってみないと)よくわからなかったですしね。
また、いきなりアバンギャルドなゲームをリリースすると、『あいつら文化人気取りのおかしな奴らなんじゃないか』って思われかねないという心配もあって。ふだんは(ケータイサイトの開発ツールやZeptoPadみたいな)ツールを作っているから、ツールっぽいゲームを作ると『そういうものしか作れないんだろう』と思われる可能性もある。なら、第1弾は、おもいっきり“ゲームみたいなゲーム”にしようと。だから、“つまらない”と言ったんですよ」
――誰が見ても、ああこれはゲームだね、と。わかりやすいって意味なわけですね。
清水「そういうことです。ゲームのおもしろさについては自信がありますよ。ただ、”清水がやってる、新しいもの”という感じはしないというか。
けれど、作ってみてこの“縦シュー”(縦スクロールシューティング)ってのが意外と盲点だとも思ってます。いま有料のiPhone用シューティングアプリで決定版的なものってないじゃないですか。それに、洋の東西を問わず遊べるもので、かつアメリカ人がよろこびそうなものっていうと、結局、銃を撃たないとダメだなと。」
――どうやって遊ぶんですか。
清水「基本的には、ターゲットをロックオンしたり、連打で撃ったりするゲームですよ(編集部注:タイトーのレイフォースのような基本ルール)。
1つめのポイントはユーザーインターフェース。――これ、考えた当時は新しかったんですけど、その後似たようなゲームが出てきちゃってますけど――iPhoneのアクションゲームって、操作性が悪くなるようなものが多かった気がするんですよ。そう考えると、僕らが最初に作ったiPhoneアプリの『UEIPong』のインターフェースって使いやすかったなってことに気付いて。それで、すべてUEIPongに準じた操作性にしたんですよ。指があるところに自機が動くというように。これで弾避けの要素で遊べると。
あともう1つポイントは、“ショットボタン”みたいなものも置きたくなかった。だから、指を離せば“撃つ”とかね。指を置いたまま敵機に合わせればロックオンで、離せばホーミングレーザーを発射。ロックオンせずに連打すると通常弾を撃つと。つまり、指1本の操作で、3種類の動きをコントロールできるゲームになってます。」
――なるほど。意外にストレスなく遊べますね。
清水「このロックオンは最大4つまでできるんですけど、4つフルにロックオンして撃つとチェーン(コンボ)が発生して、次に繋がっていく。すると、点数が倍々になっていくんですよ。社内のテストプレーでは最大55チェーンまで確認してるんだったかな。そうすると、1発で55倍の点数が入ることになって、同じステージをプレーしても、たとえば2万点のときと100万点のときが出てくる。この辺のスコアアタックも楽しんでもらえると思います。」
――スコアアタックはネット連携できるんですか。
清水「もちろん。世界第何位というふうに見られるようにしてます。でも、そこは別に新しくはないですからね(苦笑)。ただね、あの水口哲也さんだって、その昔はセガラリーを作ってたんですから。セガラリーって、クルマにペイントされた全スポンサーロゴの許諾を取るのが、ゲーム本体を作るより大変だったって当時のスタッフが言ってましたけど、そういう、一見スタンダードをやりつつも、そのなかに本気さ、魂を込めていく、っていうところを見習いたいなと。 グランダリウスも、ただの縦シューに見えて、実はUEIPongの指一本で遊べる操作性だとか、音楽的にもただのループの曲じゃなくて、ステージの途中から盛り上がっていくように演出していたりとか、(スタンダードに見えるけど)そういう点を重視してるんです。」
――ステージ1以降はどうなっていくんですか。
清水「ゲーム全体で6ステージあって、各ステージごとにガラッと雰囲気が変わります。1面は比較的難易度を低くしてスコアアタックが楽しい感じなんですけど、2面以降は敵もホーミングレーザー撃ってきたり、色々と鬼畜なステージになっていきます。おそらく全面クリアーするまで1ヵ月くらいかかるんじゃないかと思ってるんですけどね。」
――難易度はかなり高めに設定してるんですか?
清水「ええ。あんまり簡単に全クリできちゃうと北米の人たちに怒られちゃうから(笑)。彼らってムチャクチャ難しいゲームをやりますからね。Xbox Live Arcadeの『斑鳩』(硬派な弾幕シューティング)も、北米でかなり人気あるんですよね。」
――これが第1弾となるわけですけど、第2弾以降はどうなるんでしょう。シューティングじゃないですよね?(笑)
清水「違いますよ(笑)。実は今年、グランダリウスを含めて7本(!)のゲームを作ることになってるんですよ。すごいペースでしょ。で、次のゲームはもっとネットワークにガツンと振った内容になりますね。次回は10人くらい連れてきてください。大人数で遊べるゲームになりますから。」
――今後のリリース予定は具体的に決まってます?
清水「いやー、まだなんとも言えないですね。というのも、グランダリウスも、本来なら1月にリリースする予定だったわけですよ。でも、完成が近づいてくると次から次へと新しいことを考えちゃって、『これじゃダメだ』って言って、ドットも約半分を3回くらい描き直してるんですよね。」
――ともあれ、7本なわけですね。2009年は長い1年になりそうですね。
清水「そう、だから今年はメディアの皆さんとも長い付き合いになるんじゃないかなと。楽しみにしていてください。」
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動画はキヤノン『iVIS FS21 』を使用しています |
(イトー)
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