スーパーボウル2日前の金曜日には、両チームのヘッドコーチによる記者会見が催されます。試合前のコーチは試合への準備で多忙を極めますが、さすがに2日前にもなると戦術のインストールも完了し、少しはリラックスできるようです。
記者会見場には、優勝チームに贈られるヴィンス・ロンバルディ・トロフィーが用意され、雰囲気を盛り上げます。このトロフィーを手にしたことがあるかどうかで、NFL選手・コーチのキャリアは大きく変わってくるというわけです。
栄光のロンバルディ・トロフィーをはさみ、スティーラーズ(左)と カーディナルスのヘルメットが対峙していた |
最初に記者会見に臨んだのは、アリゾナ・カーディナルス(NFC代表)のケン・ワイゼンハント ヘッドコーチ。スーツを着ていると、とてもフットボールのコーチには見えません。実はワイゼンハントHCは、理工系の名門ジョージア工科大学の出身。かつてアップルのCEOだったギル・アメリオも卒業した大学であり、そこでなんと土木工学(シビル・エンジニアリング)を学んでいたのだそうです。
金曜のヘッドコーチ会見はスーツ姿で行なうのが伝統 |
記者会見でも、シビル・エンジニアリングの学位を持っていることとフットボールの関連についての質問が出ました。同ヘッドコーチによると、建築分野では多くの人々を系統的に束ねる必要があり、その知識はフットボールの世界でも大いに役立っていると答えてくれました
いっぽう、史上最年少の 32歳 でチームをスーパーボウルに率いたのが、ピッツバーグ・スティーラーズ(AFC代表)のマイク・トムリン ヘッドコーチ。HC会見では珍しいノータイ姿で出席したトムリンHCからは、若さからくる緊張はほとんど感じられません。
ブラウン系でシックに決めた、トムリンHC |
トムリンHCに対しては、ワイゼンハントHCとの関係についての質問が飛びました。実は、3年前の第40回スーパーボウルでは、ワイゼンハント氏がスティーラーズのオフェンス・コーディネーター(攻撃部門の責任者)だったのです。これに対してトムリンHCは、「NFLでは選手やコーチの異動は日常茶飯事。毎週の試合でも、相手チームに自チームにいた人材がいることは普通のことだ」と語り、ワイゼンハントHCの存在はとくに脅威にあたらないとの認識を示しました。
両コーチとも、土曜日の練習はウォークスルー(フォーメーションのチェックなど、防護パッドをつけないで行なう軽い練習)程度に済ませると明言。ふだんの試合とペースを変えずに望むとのことでした
(NFL担当 カゲ)
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