週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

大人気のコンパクトSUV・トヨタ「C-HR GR SPORT」は最良のC-HR!

2020年01月04日 12時00分更新

ワインディングではもう違うクルマ!

 試乗はトヨタモビリティ東京 吉祥寺店から中央高速道路を通り、神奈川県の山あいのワインディングロードを走るというものです。

 「うわっ! もう違うよ」というくらいの驚き。ベース車との違いは、吉祥寺店の店舗から道路に出た瞬間に分かりました。中央高速の調布インターへ向かう市街池でもステアリングを回す度に違いが見えてきます。ステアリングに対してクルマの反応がダイレクトなのです。普通のクルマでステアリングを切れば一瞬グラっと荷重移動があってからクルマが曲がっていきますが、C-HR GR SPORTには間に入る「グラッ」がないのです。これが着座位置の低いヴィッツなどならあるかもしれませんが、車高の高いSUVで「グラッ」がないというのは新鮮。

 高速道路のインターチェンジはワインディングロードに似た性質のカーブが連続しています。カーブの半径が小さく、そこを低速で走らせることによって一般道での速度超過を是正する目的もあるとのことですが、そんなところでもピタッと狙ったラインでコーナーリングしていけるのはかなり気持ちがいいものです。そんな気持ちよさがSUVで体験できるC-HR GR SPORTは、これだけでもかなりのバリューを持っていると言えるでしょう。

 そして高速道路。とにかく真っ直ぐ走ります。高架部の路面の継ぎ目などでクルマがブレることもなく、試乗車がハイブリッドのFF車であるということを抜きにしてもこの直進安定性はかなりのもの。大径タイヤによる乗り越え特性も高そうです。こういうところにも19インチタイヤとフロアセンターブレースの効き目を感じます。

 ワインディングロードに入るとC-HR GR SPORTの恩恵が最大限になります。ロールを抑えたコーナーリング姿勢とホールドの高いシートのおかげで、頭の位置が常にクルマとシンクロしています。カーブの出口に視線を向けるときも、クルマの傾きが路面とシンクロしているので首に力がかかるような姿勢にはなりにくく、首や肩に余計な力を入れずにステアリング操作ができるのです。

 また、C-HR特有の恩恵は着座位置が高く、より遠くを見渡せることです。山あいのワインディングロードではイノシシやシカなどが飛び出すこともあります。このとき、より遠くを見られれば視野も広くなり、危険回避能力も向上するのです。

 山あいのワインディングロードは、実は制限速度の設定が無茶苦茶な場合があります。「こんなきつい曲がり道を50km/hで走れるか?」というようなところでも、C-HR GR SPORTは安心して走れるのです。

ガソリン車には6MTも設定
これはシビレル!

 C-HR GR SPORTのガソリン車には、なんとマニュアルシフトの設定もあります。それも6MTというスポーティーさ。

 ガソリン車のエンジンは1.2リッターのターボエンジン。ダウンサイジングターボと呼ばれるものです。小さなエンジンを程よく過給して1.8~2リッター程度の動力性能を発揮するもの。このエンジンが実によく回るのです。

 このガソリンエンジンと組み合わされる6MTはiMT機能を搭載。この機能をONにするとシフトチェンジの際にクラッチ操作を検出し、クルマが最適なエンジン回転数に合わせてくれるのでスムーズなギアチェンジができます。正直な話、筆者が「ヒール&トゥだぜっ!」とかするよりもよほどうまく、絶妙な回転数に合わせてくれます。なお、iMT機能をOFFにすればごく一般的な6MTになりますのでヒール&トゥはできます。ただし、iMTがあれば素人のヒール&トゥは本当に必要ありません。

 この6MT車をトヨタモビリティ東京の荒川店のご協力のもと、ごく短時間ですが乗ることができたので、ちょっとしたワインディングロードを走らせました。CVT車に比べてより一層ダイレクトなドライブが楽しめます。スポーツカーライクなSUVからSUVスポーツカーに変わるくらいの変化があります。

 タイトコーナーが多めの道でしたが、ブレーキングからのシフトダウンでステアリングからの加速、シフトアップという一連の動作に一切のタメがなくなります。その一連の流れのタイミングを自分で作り出せるよろこびは6MTでなくては味わえません。このC-HR GR SPORTの6MTだけのためにマニュアル免許にするのもありだと思います。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事