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低所得YouTuberが増えるからベーシックインカムが不可欠になる

2020年01月03日 10時00分更新

ベーシックインカムはお金じゃなくてもいい

 2部はゆめみの代表取締役である片岡 俊行氏と電通の日塔 史氏がくわわり、会場からの意見を募った。

左奥から日塔氏、井上准教授、片岡氏

会場では匿名で質問や意見を投げられるようになっており、プロジェクターで随時意見が表示されていた

 ゆめみの社員として参加したエンジニアは「お金を配ったことで幸福度は上がるのか。生活はしやすくなるかもしれないが、貧困や格差が生まれる前提の問題解決にいたるのかがわからない」と質問。

 対して井上准教授は「ベーシックインカムに対する、よくある批判」と前置きし、

 「そもそもの格差が生じている原因をちゃんとしないといけない。ただ、たとえば子供が3人いる母子家庭の場合、かなり大変で大学に通わせられないといった教育格差も生じる。その場合でも家族4人なので、(月7万円とすると)28万円もらえる。これを教育に充てることもできる」と回答。

 また「プラスしてベーシック教育が必要。それによって格差や階級が固定しないような、がんばった人が良い暮らしができるような社会にしていく必要がある」と述べた。

 さらに、ゆめみの勉強し放題制度を例に出し「ベーシックインカムはお金の給付だが、住宅や教育にフォーカスを当ててもよい」という。住宅に限って言えば、今後日本の空き家率が増加する可能性もあり、空き家をうまく活用すれば暮らしが楽になる。教育も「良いか悪いかはわからない」としながらも、大学の学費が無料の国もあるので、もっと安価に学べる仕組みがあってもいいそうだ。

 そのほかいくつか質疑応答があり、勉強会は約2時間で終了。テーマが絞られていただけに、参加者は熱心な人が多かった。また、限られた時間の中で、しっかりと基本から講義をしてもらったので、ベーシックインカムについてメリットとデメリットの一端を知ることができた。

 勉強会はテーマを変えて、2020年の6月まで実施する予定。各回のテーマはLiberal Arts Labのサイトを見てほしい。

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