AIが台頭するとベーシックインカムが必要
当日は講義形式とトークセッションの2部制。講義に登壇したのは、駒澤大学経済学部でマクロ経済学を専門にしている井上 智洋准教授。トークセッションでは電通の日塔 史氏がモデレーターをつとめ、井上准教授とゆめみの片岡 俊行氏が対談した。
1部の講義で井上准教授はベーシックインカムについて解説。ご存知の方も多いとは思うが、ベーシックインカムは収入の水準によらず、すべての人に無条件に最低限の生活費を一律給付する制度だ。本格的に導入した国はまだなく、最近ではフィンランドが2017年からおよそ2年のあいだ、2000人の失業者を対象に月額7万円を給付する実験をしたことで知られる。
毎月最低限のお金がもらえるのだから夢のような制度に見える。しかし、導入している国がないのだから、問題もしくはできない理由があるのだろう。経済にうとい私から見ても、そんな財源はどこから? と首をかしげてしまう。
井上准教授はベーシックインカムを導入すべきという立場を取っており、講義では次の2点を要点として挙げていた。
1.7万円程度のベーシックインカムを社会保障制度の主軸にしよう。
2.AIやロボットが発達すると、働いて給料を得るのが難しくなる。そこでYouTuberのようなクリエイティブ系の職業に移行する人が増えると考えられるが、高い所得が得られるのはごくわずかなので、ベーシックインカムが必要。
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