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5Gスマホシェア1位はサムスン、他社にも下克上の可能性あり

2019年12月16日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

どんな5Gスマホが売れているのだろうか

 2019年は5Gサービスが始まった年でした。5Gスマートフォンも気がつけば10機種以上が世の中に出ています。では5Gスマートフォンを一番売ったメーカーはどこでしょうか?

 IHS Markitの調査によると、2019年第2四半期から第3四半期の間、すなわち4月から9月までに世界で出荷された5Gスマートフォンの数は610万台でした。同期間の全スマートフォン出荷数はソースは異なりますが(IDC調査)6億9150万台。すなわち5Gスマートフォンは全スマートフォンのまだ1%以下の台数しか出ていないのです。

 このような状況ではあるものの、トップに立ったのはやはりサムスン電子。出荷台数は470万台、シェアは77%と圧倒的な強さです。サムスンは世界初、4月に出荷された5Gスマートフォン「Galaxy S10 5G」を皮切りに、「Galaxy Note10 5G」「Galaxy Note10+ 5G」「Galaxy A90」そして「Galaxy Fold」と5機種の5G端末を出しています。この中でGalaxy Note10+ 5Gは第3四半期のベストセラー端末となり150万台、同時期にサムスンが出荷した台数の約半数を占めました。

5Gスマートフォンとして販売も好調なGalaxy Note10+ 5G

 そして2位にはLGエレクトロニクスが入ります。日本でも出た2画面化カバーが利用できる「LG G8X ThinQ」の第一世代&5G対応モデル「LG V50 ThinQ」の1機種だけで70万台を出荷しました。なおG8X ThinQの5G版となる「LG V50S ThinQ」も10月から韓国で発売になりました。LGのシェアは11.5%です。

G8X ThinQの5G版となるV50S ThinQ

 では中国メーカーはどうでしょうか? 8月に中国で最初に5Gスマートフォン「Axon 10 Pro 5G」を出荷開始したZTEは10万台以下。「HUAWEI Mate 20 X 5G」を出したファーウェイは10万台、そのほかヨーロッパに「OPPO Reno 5G」を出したOPPOが10万台、シャオミもヨーロッパに「Mi MIX 3 5G」を出しましたが10万台。各社数を出せていません。

中国国内で5Gスマホ一番をはたしたZTEだが数は伸びなかった

 これらのメーカーに対し「iQoo Pro 5G版」と「NEX 5G」を8月、9月に出したVivoは40万台と中国メーカーの中で一歩リードしています。勝因はiQOO Pro 5G版の価格を3798元(約6万円)と安く抑えたからでしょう。

価格戦略が当たり中国メーカーの中で数を出したVivo

 このように韓国勢の2社だけで5Gスマートフォンのシェアは9割にもおよび、他のメーカーはまだまだ数を伸ばせていません。では、このまま韓国メーカーが独走するのでしょうか?おそらく2020年は各社の順位は大きく変わると予想されています。

 まず、アップルが5Gスマートフォン市場でいきなりシェアトップになる可能性が高いと言われています。アップルはハイエンドに絞った製品展開をしており、2020年は全モデルが5G対応になるとも言われています。Strategy Analyticsの予想にもありますが、現在のiPhoneユーザーがこぞって5G対応のiPhoneに買い替えれば、おのずとアップルは1位になります。

 とはいえ、これはあくまでもアップルが順調に5G対応のiPhoneを開発できたらの話。5Gでは4Gよりもアンテナ設計が複雑になるため、安定して5G通信できるスマートフォンを開発する難易度も高まります。5G版iPhoneが出てきてもアメリカのみ対応、なんてことになるかもしれないのです。

5Gスマホではアンテナ設計がより重要になる

 一方、2019年11月から中国で5Gサービスが始まったことで、中国メーカーが5Gスマートフォンの開発ラッシュをこれから進めます。今回の調査結果以降、すなわち2019年10月以降に中国で発売・発表された5Gスマートフォンはファーウェイ「HUAWEI Mate 30」「HUAWEI Mate 30 Pro」「HUAWEI Mate 30 RS」「HUAWEI nova 6 5G」「HUAWEI Mate X」「Honor V30」「Honor V30 Pro」、シャオミ「Mi 9 Pro 5G」「RedMi K30 5G」、OPPO「Reno3 Pro 5G」、OnePlus「7T Pro 5G McLaren」など10機種以上です。

2019年の年末にOPPOはReno3 5Gの発表会を行なう

 これ以外にもレノボなどから5Gスマートフォンが出てきますし、OPPOから分離したRealmeも5G機を投入予定です。スマートフォン利用者数で世界一の数を誇る中国だけに、国内メーカーの5Gスマートフォンが爆発的に売れることは確実でしょう。しかも、米中摩擦問題が長引けばファーウェイは中国市場で販売を強化するでしょうから、5Gスマートフォンが予想以上に売れる可能性もあります。

 このように5Gスマートフォン市場は、現時点でまだ「勝者」が決まったわけではありません。5G対応iPhoneが販売数を伸ばすと見られている一方で、シャオミのRedMi K30 5Gが1999元(約3万1000円)と安く、他社からも低価格5Gスマートフォンが出てくればそちらが数を伸ばすでしょう。ということで5Gスマートフォン市場の来年の展開はまったく読めず、どのメーカーにも勝機があるというのが現状です。ぜひともソニーやシャープなど日系勢にも頑張ってほしいものですね。

3万円台の5Gスマホ、RedMi K30 5G

山根康宏さんのオフィシャルサイト

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