デロイト トーマツ ベンチャーサポートが発表、12月提供開始
大手とスタートアップ を1分で結ぶSaaS型サービス「six brain」
最短1分でスタートアップ と大手を結ぶ
SaaS型プラットフォーム
デロイト トーマツ ベンチャーサポートは12月3日、SaaS型オープンイノベーションプラットフォーム「six brain」の提供を開始すると発表した。
スタートアップ企業と大手企業を最短1分で結びつけるとうたう協業支援サービス。
立ち上げに参画したデロイト トーマツ ベンチャーサポートの外山 陽介氏は、毎朝6時に起きてスタートアップに関するファイナンスデータを収集することを5年続け、およそ7000件におよぶスタートアップのデータを得たと話し、「スタートアップオタク」を自称する人物。
外山氏は「スタートアップの国内市場での存在感は大きくなってきている一方で、大手との協業を目指したときに、なかなか最適な担当部署や担当者と出会えないことが新たな課題になっています。
スタートアップ企業は1万3000社ほど存在すると言われています。大手企業が、この中から協業に最適なスタートアップ 企業を探し出すのは非常に難しく、最適な部署や人に出会うまでに半年や1年かかることも珍しくありません」と話す。
また、スタートアップと大手企業とのオープンイノベーションも活発に実施されているものの、大手企業がスタートアップに対して新規性の高いアイディアを求めるため、スタートアップ企業にとっては、負担が大きくなる傾向にあることも指摘。こうした課題も、six brain立ち上げの背景にあると説明した。
six brainを使えば
効率的で高精度なマッチングが可能に
大手企業の担当者は、自社の情報を入力すると、最適なスタートアップ の情報を受け取ることが可能。また、どのように協業すればいいかを、システムがリコメンドする機能も備える。
リコメンドシステムにはAIを活用している。大手企業の課題とスタートアップのビジネスモデル・業界・商材の相関関係を、過去の協業データを元に分析し、140字程度の短い協業案を自動作成できるという。
大手企業にとっては、自社のネットワークのみではアプローチできなかったスタートアップに対して、具体的な協業に向けたオファーが送れることが、大きなメリットとなる。またユーザーは、より確度の高い案件を絞り込めるように、「コミュニケーションマネージャー」によるサポートが受けられるとする。
シンプルなUIも特徴。「ダッシュボード」から協業案件の進行度合いが可視化でき、ユーザーは協業の実現に向けた課題を常に把握できる。これによって、大手企業とスタートアップ企業は、透明化したPDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)が実現できる。
料金体系は、Free、Standard、Professionalの3タイプ。利用料金は大手企業向けとスタートアップ企業向けで分けるが、いずれもFreeプランは無料で利用可能。Standardプランは大手企業向け(30万円から)とスタートアップ企業向け(9800円)で内容が異なり、スタートアップ向けにはオプションを付与、大手企業向けにはアカウント数を1から3アカウントにしたり、利用期間を無制限にしたりと、Freeプランとの違いを出している。
Professionalプランは、Standardプランの内容に加えて、プロフェッショナルによるサポートが受けられるプランとし、価格は非公表(要問合せ)。
協業先を指名できるのが最大のメリット
デロイト トーマツ コンサルティングの本社で開催された発表会では、デロイト トーマツ ベンチャーサポートの代表取締役社長 斎藤 祐馬氏が登壇。
「スタートアップ支援の事業を続けていく中で、大手企業とスタートアップ企業の協業には、あまりにも時間がかかりすぎるということを実感しています。
six brainによって、いままで半年かかっていたものを1分でできる世界を実現します。これまで、イベントやパーティー会場でマッチングしていたこととの大きな違いは、一対一でのマッチングが可能になり、『具体的にこの企業と協業したい』と指名できる状況を作れることだと思います」と話した。
12月26日からウェブサイトで申し込み受付を開始。一部の機能から順次提供を開始する。「本格展開は2020年5月から」とし、国内だけでなく、シンガポール、インド、中国、韓国市場向けにもサービスを提供する計画。
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