5G時代のエレクトロニクス
昨今、5Gというキーワードがメディアにも頻繁に取り上げられ、超高速化するインフラとパートナーシップを組んで、新しいサービスを展開しようとする動きも活発です。また、FacebookがKDDIと組んで、5GにおけるARアプリケーションの普及促進を進めようとしています。
そうした中で、次のキラーアプリは何か、みんなが探し回っている状況です。ただし、あまり焦ることもないと思います。むしろ、既存のプレイヤーやデバイスを前提にするのではなく、一度頭をまっさらにして考えてみた方が良いという意味です。
よく引き合いに出されるのが4GとInstagramやUber。第4世代通信が始まったとき、InstagramやUberがここまで人々のメディア動態を変え、移動形態を変えるとは思っていなかったはずです。
次世代通信のプロモーションビデオを見ると、ホログラムに浮かび上がるビデオを見ながら自動運転車で移動、みたいななんとなくの未来像だけ見せられていた記憶があります。実際、そうした世界はやってきていませんし、5Gでも再び理想として掲げられつつあります。
確かにビジュアル化はわかりやすいし、「きっとこうなる」と思わせてくれる数少ない材料かもしれません。しかしどの4G開始前のビデオにも、Instagramのアプリは登場していなかったのです。つまり、5Gについても、まだまだこれからということ。
その一方で、世界中の人々が、次なるFacebook、Instagram、Uberを狙おうと開発と投資をすすめていることも事実です。それでも、まだ遅くないと筆者は思っています。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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