ビザ・ワールドワイド・ジャパンは14日、VisaデビットカードがGoogle Payに対応したことを発表した。これにより、Visaデビットカードのユーザーは、Google Payが利用できるNFC対応のAndroidスマホで「Visaのタッチ決済」が可能になる。実際に使ってみたのでレポートする。
海外で普及しつつあるクレジットカードによるタッチ決済
NFC対応のAndroidスマホで利用する
日本国内では非接触型決済の技術として、鉄道の自動改札機での利用などを前提に、高速処理性能で優れたFeliCaが広く使われている。一方でこのFeliCaの普及がほぼ国内に留まることもよく知られているところ。iPhoneやPixelも含めて、FeliCa搭載スマホは基本的には日本向けにカスタマイズされたモデルとして提供されている。
一方、海外で普及が進みつつあるのが、NFCを用いた非接触型決済。クレジットカードの国際ブランドごとに「Visa Contactless」(日本では「Visaのタッチ決済」)、「Mastercard Contactless」などがあり(JCB、AMEXにもある。総称として「NFC Pay」と呼ばれることも)、対応カードをリーダーにかざすだけで支払いが可能だ。日本で発行されているクレジットカードでも実は徐々に広がっており、対応カードには共通のロゴが描かれている(右方向に広がる波のような4本の曲線がそれ)。
その「Visaのタッチ決済」を、Visaデビットカードのユーザーであれば、NFC搭載Androidスマートフォン+Google Payで利用できるようになったというのが、今回の発表である。対応したのは、Visaデビットカードが利用できる銀行のカードの一部。具体的には、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行の6行が発行したものだ。
実際に利用するには、まずGoogle Payアプリをインストールし、対応カードを支払い方法として登録する。Apple Payなどと同じく、アプリからカードを写真で撮影すると自動で情報を認識するが、個人認証が必要な場合もある(テストに用いたジャパンネット銀行のカードの場合は、登録メールアドレスに認証番号が送信されてきた)。
問題は対応店舗。FeliCaを用いたiDやQUICPayによる決済はすでに主要コンビニチェーンなど、広く対応しているが、クレジットカードのタッチ決済はまだまだ。ただ、有名どころではローソンとマクドナルドがある。今回はローソンで試したが、サイトでの説明どおりに「クレジットカードで」と店員に伝えると、カードリーダーが点灯。通常はカードを差し込むか、スライドさせる場面で、スマートフォンをかざせば支払いが完了。デビットカードなので、銀行の取引明細にもすぐに反映される。
若干気になったとすれば、今回使用した端末(モトローラ「moto g6 plus」)側の原因かもしれないが、NFCのアンテナがあると思しき場所をリーダーにかざしても反応が良くなくてエラーになることがとにかく多いという点だろうか。また、決済時の「ピー」だけの音も味気ない。FeliCaの優秀さをあらためて認識できた場面だ。
また、最近のAndroidスマホであれば、必ずNFCに対応しているというわけではない点も注意したい。特にミドルクラスの安価なSIMフリースマホでは非対応のものは少なくない。しかし、NFCを利用する場面がこれまでほとんど無かったので、ユーザー側もあまり意識してなかったはず。対応の有無はあらためて確認する必要がある。
国内ではFeliCaの優位性は当面揺らぎそうにないが、FeliCaは非対応でもクレジットカードは利用できる店舗での対応の可能性、訪日外国人の利用を考えると、ぜひ普及してほしい決済方式と言える。
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