社員のHPがわかるkintoneのRPGを作った住田知基さん
2番手は名古屋のウィルビジョンでシステムエンジニアとして働く住田知基さん。若干22歳でありながら、過去数回もkintone hackをこなしており、社内コンビニの購入数をグラフ化したり、タイムカードの入力画面をスプレッドシート化してきた。最近ではkintoneとAlexaを用いた社内コンビニにもチャレンジしてきたという。
これまで住田さんはおもに社内に溜まった業務データを利用してきたが、今回はkintoneのコミュニケーション機能に注目。そして「モンスターからの挑戦状」というテーマからモンスター、RPG、HP(ヒットポイント)と連想し、kintoneと感情分析を組み合わせ「社員のHPをリアルタイムに見える化する社内RPG」を作ってみたという。
HPの増減ルールはシンプル。まず、キツい言葉をかけられるとダメージを受けるほか、30分働いても同じくダメージを受ける。一方、仲間から褒められたり(やくそう)、退勤して30分休むことで、HPは回復する(宿屋)。実際、住田さんがkintoneにログインして、打刻ボタンを押し、ポータルに戻るとサイボウ樹が登場。また、メンション付きのネガティブなコメントが寄せられると、HPが減少する。逆にたくさん褒められるとHPは回復することになる。
仕組みとしてはkintoneのコメントが登録されると、AWS Lambdaを経由し、GCP Natural Languageで感情を分析。分析した感情に応じて、kintoneに結果を書き戻すという処理になっている。見た目はRPGだが、社員のHPと生産性の関係を分析することもできるし、そもそもタイムカードを打たないとHPを回復できないので、打刻ミスがなくなる。もちろん、褒め合うことでやる気も生まれるというメリットがあるので、かなり実用的。「みなさんもHPを見える化して、仕事に楽しさとやりがいを作ってみてはいかがでしょうか?」とコメントし、LTを終えた。
オリンピック話長すぎた赤い芸人、高橋克己さんの「キズキルーペ」
3番手は今年もやってきた赤い芸人の高橋克己さん。KDDIウェブコミュニケーションズのTwilioエバンジェリストとして唯一無比の存在感を誇る高橋さんは、6分のLT時間のうち、ほぼ4分を東京でオリンピックを生で見られることがどれだけ貴重な体験かを力強く語り尽くす。いろいろな計算とかもしてくれる。
個人的にはLTの時間の方が貴重な気がするのだが、高橋さんのオリンピック語りは止まらない。「うちの母ちゃんはあなたは生後2ヶ月のとき、東京オリンピックのマラソンは見ながら、『アベベ、アベベ』と応援していたと証言している。オレみたいな母ちゃん適当」と語り、ひとしきり寄り道を繰り返した後、ようやく「日本は高齢化社会だ」という結論になる。「僕にとって一番怖いのは記憶障害。この人の名前だれだっけ?が思い出せない」というところから、「キズキルーペ」の話に移る。ここまでで残り1分30秒だ。
キズキルーペはスキャンボタンを押すだけで、目の前にいる人の名前を表示してくれるメガネ型デバイス。どう見ても違和感のあるフォルム、どう考えてもすぐ壊れそうなプロダクションレベルからはほど遠い試作品だが、モバイルでの利用を前提にkintoneで実装されており、写真を1枚登録しておけば名前を調べてくれるという。
残り30秒の段階でデモに移るが、kintoneは無情にも「誰だかわかりません」とダイアログを表示する。高橋さんが「あーーーーーーーーーー!オレのことを認識しない」と叫び、明日は会場でデモを成功させると宣言した。
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