「チゲ牛カルビ焼肉膳」
松屋
11月5日発売
730円
https://www.matsuyafoods.co.jp/news_lp/chige_karubi.html
チゲの旨味とコクが物足りない
ラグビー人気に露骨な便乗ではないかとお怒りの人もいらっしゃるでしょうが、筆者の父親は高校からラグビーを始めて半世紀近くラガーマンでして、先日のW杯ではスコットランドに勝利したとき涙を流したそうで(自分は父が泣いたところを3回も見たことがありません)、弟も高校時代は俊足のウイングでして、まあ、自分は運動がまるでダメだったので競技自体は未経験なのですけれども、そんな家族ですから、ラグビーを引き合いに出すことをお許しいただきたい。
松屋が11月5日から発売した「チゲ牛カルビ焼肉膳」は、魚介の旨味やコチュジャンなどの辛味が凝縮されたとうたう「豆腐キムチチゲ」に、焼肉の王様「牛カルビ」がセットになったコンビです(730円。生野菜セットは770円)。
豆腐キムチチゲは松屋の冬の定番メニュー。辛くて身体があたたまるチゲと、焼いたカルビ。玉子まで付いてくる。何が悪いのだ、立派なチームではないか、といぶかしむ人もいるでしょう。
さっそくですが、本記事のタイトルの答えは筆者の中ではっきりしています。「豆腐キムチチゲのクオリティーが高くないこと」です。この定食と、「カルビ焼肉定食」との違いは豆腐キムチチゲ(と、玉子)が付いてくること。しかし、そのキムチチゲがパッとしないとなると、だいぶ雲行きがあやしくなる。いや、もう、致命的といってもいい。定食としての完成度が低くなってしまう。
筆者は不必要に松屋を下げたいわけではない。牛丼チェーンの中でも松屋は筆頭に挙げてよいほど愛好していますし、畢生の名作「ごろごろ煮込みチキンカレー」などには賛嘆を惜しまない人間ですが、キムチチゲに関しては懐疑的です。さきほど冬の定番メニューと言いましたが、じつは毎シーズン、キムチチゲには満足していません。正直に言えば。
何が足りないか。松屋のキムチチゲには、コクがない。キムチの素に豆腐と肉と白菜を入れて煮込んだような味で、一応、キムチチゲとしての体裁は整っていますが、コチュジャンの辛味はともかく、魚介の旨味があまり感じられない。辛さはあるけれど、水っぽい。なので、単純な塩分だけの味になるというか、どうにも、しょっぱく感じてしまうのです。毎年、こんな感じなんだよなあ。
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