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劇場の迫力が家庭に、ブラビアが国内初の対応テレビに

TSUTAYAが、日本初の“IMAX Enhanced”コンテンツ配信

2019年11月01日 22時30分更新

テレビ開発の努力がIMAX Enhancedによって報われる

 都内で本日開催された“IMAX Enhanced 日本導入説明会”には、IMAX シニア・バイスプレジデントのBruce Markoe(ブルース・マーコウ)氏、IMAXとDTSの親会社であるXPERI CPO兼CSOのGeir Skaaden(ギア・スカーデン)氏、同社バイスプレジデントで、エコシステム・ビジネス・デベロップメント担当のJohn MacDaniel(ジョン・マクダニエル)氏、TSUTAYA Digital Entertainment株式会社 執行役員の山内智裕氏、ソニー ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社 TV事業本部 技術戦略室 主幹技師の小倉敏之氏が登壇。IMAX Enhancedやそのエコシステムについて紹介した。

 Markoe氏は「フィルムメーカーの想いを直接家庭に届ける媒介として機能するのがIMAX」としたうえで、専用の撮影カメラ、DMRと言われるポストプロダクションのエンハンス技術、そして品質を保証する認証機器まで一気通貫でクオリティを担保する仕組みを持つ点が強みであると話した。

カメラから家庭の再生機までシームレスに提供

コンテンツ、デバイス、配信のエコシステムを構築

IMAX Enhancedに参画中の企業やブランド

 音声についてはDTS:Xの技術を利用するとともに、深みのある低域の表現ができるチューニングを施している。ストリーミング配信にあたって、山内氏は「DTS規格でのエンコードに苦労した」とした。IMAX Enhancedのデータの中から、一度映像と音声を取り出し、エンコードしなおしたうえで、再度結合する処理が入るが、音声規格をDTSファイルで作るのは国内で初めての経験。そのため、エンコード用のソフトをイチからつくるチャンスであると同時に、困難もあった。当初は、きちんとエンコードできているはずなのに、エンコーディングして再生すると片側の音しか出ない、スキップすると音が消えるなどトラブルも経験。XPERI社に協力を仰ぎつつ、開発に漕ぎつけることができたとした。苦労しつつも、開発を続け、より速い処理でできる改善を目指しているとのことだ。

 また、小倉氏は「IMAXのコンテンツは素晴らしいが、これまでは劇場のみの体験だった」「これがデジタルデータが太いパイプを通って家庭にやってくる」とコメント。合わせて、テレビに強く求められているのは、コンテンツに含まれる情報を「正確に、よりよく」アナログ信号に変換することであり、そのためにブラビアシリーズは「X1 Ultimate」というチップを開発、制作者の意図を保持するために、入力された信号をはしょらず正しく扱い処理するようにしたとする。コンテンツが持つパワーを、そのままの感動として提供できるよう、努力しているが、「この努力が、IMAXのコンテンツによって報われる」とコメントした。

 これを受けて、Markoe氏は「IMAXは(コンテンツの)提供者と(再生機器の)開発者の中間の位置に立っている。ポスプロの現場では、ソニーのモニターが幅広く使っているが、ソニーのテレビはこのプロ向けのマスタリングモニターの技術を受け継ぎ、再現できる品質を持っていると評価した。

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