素直でどんなジャンルの音楽にも合うサウンド。ノイキャン効果とのバランスも良好
気になる音質の印象も報告しよう。筆者は従来のAirPodsも長く使っているが、くっきりとしたボーカルやピアノのメロディなど「ミドルレンジ」の再現性能がとても高いイヤホンだと感じている。その特長をしっかりと受け継ぎながら、伸びやかな高域、肉付きの良いどっしりとした低域まで濃厚なサウンドが味わえるようになったAirPods Proのサウンドは魅力にあふれていた。
Apple Musicで聴いた上原ひろみのジャズピアノのメロディが、躍動感いっぱいに歌いあげる。マイケル・ジャクソンのダンスナンバーは、ずしんと腹の底に響くような低音が心地よい。Perfumeのエレクトロポップスを聴いてみたら、広々としたステージの空間が目の前に広がるような体験を味わった。ノイズキャンセリング効果に押しつぶされることなく、音楽のディティールを丁寧に再現するイヤホンだ。アリス=紗良・オットのピアノ音色も、色づけがなくとても素直で温かみがある。そしてMISIAのボーカルの生々しさと立体感にも、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
繰り返しになるが、ノイズキャンセリングと外音取り込みの機能をリスニングシーンに合わせてスイッチしても、サウンドのバランスやディティールの聴こえ方に大きな変化がないので、安心して「いつものいい音」が楽しめる。
多機能なのに驚くほどコンパクト。そしてハイCP
そしてやはり最も驚くべきなのは、これだけイノベーティブな機能を詰め込んでおきながら、ケースは手のひらサイズ、イヤホン本体も従来のAirPodsに負けないぐらいコンパクトとしたことだ。
AirPodsはそのコンパクト・軽量なサイズ感が女性の音楽ファンにも高く評価されている完全ワイヤレスイヤホンだ。筆者も特に外出の際に荷物が増える時には、自然とAirPodsを手に取ってバッグに入れてしまう。ノイズキャンセリング対応のAirPods Proが同等の高いポータビリティを実現していると聞けば、本機もまた年齢性別を超えて多くの音楽ファンの興味を喚起することになるだろう。
本体はIPX4相当の防滴・耐汗設計としているので、スポーツジムで時に集中したり、体を休めたりしながら音楽を楽しむ時も重宝する完全ワイヤレスイヤホンだ。
これほどまでに高い完成度に到達したAirPods Proが、従来のAirPods with Wireless Charging Caseと比べてわずか5000円アップの価格で買えるというのだから恐れ入る。もうAirPodsは持っているという方も、AirPods Proと「2台持ち」にして使い分ける価値は十分にありそうだ。
充電用のケーブルは、ケース側がLightning、ACアダプター側はUSB Type-Cのものが同梱されている。Qi規格の充電器を利用したワイヤレス充電に対応しているが、Qi規格の充電器やUSB Type-C用ACアダプターは付属していないので注意が必要だ。
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