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地方経済復活を目的とした観光開発ファンドをメルコが設立

2019年10月30日 17時00分更新

箱根に作る予定の5つ星リゾートのイメージ © Melco Resorts

 メルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドは10月29日、ホスピタリティー投資ファンド「メルコ・クリエイティブ・エクスチェンジ(MCX)」を立ち上げると発表した。270億円規模のファンドで、観光開発を通じて日本の地域経済の活性化を支援するのが目的。

 メルコにとって日本は長期ビジネス戦略の要であり、地方に可能性があるとの考えからファンドの設立にいたったという。ミッションは、地方を訪れる国内および海外からの訪問客を迎える、プレミアムな施設を特定・開発し、運営すること。

 統合型リゾート(IR)はもちろんのこと、地方に存在するさまざまな観光地の発展に貢献していきたいとしている。

 同社のローレンス・ホー会長兼最高経営責任者は「経験や知識をうまく活用することで、日本にふさわしいお客様を呼べる。いらっしゃるお客様方は日本を体験したい富裕層だからGDPにも貢献できる」とし、「地方経済も復活すると考えている。雇用、コミュニケーションなど、多くのメリットがもたらされるだろう」と説明。

 さらに「IRでは横浜ファーストと言ったが、メルコとして、観光はジャパンファーストを宣言したい」と力を込めた。

ローレンス・ホー会長兼最高経営責任者

箱根と「山奥」に5つ星クラスのリゾートを

 MCXとして2つのプロジェクトも発表。ひとつは箱根にある5つ星の温泉リゾートだ。場所は強羅駅から徒歩5分のところで、土地面積は6471平方m。建築は坂 茂氏が担当する。開業時期についての説明はなかった。

 35のスイートを備えた4階建てのリゾートで、各客室には専用テラスが付いている。ほとんどの客室が山々の壮観を一望できるプライベート温泉付きとする。

 同社のエグゼクティブヴァイスプレジデント兼クリエイティブおよびブランド最高責任者のフレデリック・ウィンクラー氏は「温泉宿を現代的にあらわしたもの」と話す。

 「坂氏ならではの建築で、木材が実用面においても美的面においても重要。伝統を活かしつつ新たな展開だ」と述べた。

木材を重要視したデザイン © Melco Resorts

 もうひとつは「山奥のスキー施設を通年で使用可能な4つ星または5つ星の美しい複合型スキーリゾートへと生まれ変わらせるプロジェクト」。

 詳細については一切明かされず、フレデリック・ウィンクラー氏は「東京から近いが、(場所は)どこかは教えられない。まだマスタープランの段階。全体でいうと10年くらいはかかるだろう。明確なプランもいまはないが、数十のハイエンドな部屋」を想定しているとのこと。

複合型スキーリゾートのイメージ © Melco Resorts

エグゼクティブヴァイスプレジデント兼クリエイティブおよびブランド最高責任者のフレデリック・ウィンクラー氏

大坂なおみ選手がブランド・アンバサダー就任

 さらに同社は、テニスの大坂なおみ選手が横浜におけるIR開発に向けた整備活動において、ブランド・アンバサダー兼スポーツ・グループ・ディレクターに就任したと発表。MCXのステークホルダーであり、テニスはもちろん、さまざまなウェルネスをとりいれるうえで戦略的な役割を担うとする。

大坂なおみ選手 © Melco Resorts

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