16年の歳月を経て実現したジェミニマンという業績
続いて、『ジェミニマン』のプロデューサーを務めたジェリー・ブラッカイマーにインタビューを実施。本作の制作秘話やウィル・スミス、アン・リー監督の魅力について語ってくれたので、その模様をお伝えしよう。
――最新作の『ジェミニマン』で成し得た業績とはなんでしょうか?
ジェリー・ブラッカイマー(以下、ジェリー):『ジェミニマン』では新たな技術を採用し、ウィル・スミスの演技を基にデジタルなキャラクターを創造することに成功しました。現代のデジタル技術を駆使することによって、今までの映画制作における境界線がなくなってきていることを証明できた作品だと思います。120フレーム・4K3Dで撮影しましたが、そういった作品はまず少ないといえるのではないでしょうか。
また、映画館での鑑賞体験がまったく新しいものに進化しました。映画としての見た目や感覚もそうですが、3Dに関しては奥行きに深みが増したほか、目の疲れやモーション時のブレが感じられない点も新たな魅力となっています。『ジェミニマン』というプロジェクトに投資してくれたパラマウントピクチャーズとスカイダンスに感謝したいですね。
――本作は16年前に企画していたそうですが、当時の技術ではなかなか実現できなかったということでしょうか?
ジェリー:ウィル・スミス扮する20代のクローン(ジュニア)を当時のデジタル技術で再現すると、どうしても嘘っぽく見えてしまうんです。20代のウィル・スミスを忠実に再現することが大きな課題でした。
――『バッドボーイズ』に出演していた頃のウィル・スミスをテスト映像として使っていたと伺っていますが……?
ジェリー:そのとおりです。ウィル・スミスとマーティン・ローレンスが車の中で話をしている場面があるのですが、試しに2カットほどデジタルのウィル・スミスと入れ替えてみたところ、どれが本物でどれがデジタルなのかまったく判別できませんでした。その映像を観た瞬間、私もアン・リー監督も「これならできる」と確信するに至ったのです。
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