IFA2019で、LGは「G8X ThinQ」を発表した。ThinQの名前の付く製品は同社の音声AIシステムを搭載し、IoT対応がうたい文句の製品である。しかしG8X ThinQはディスプレーを2画面化するケースを取り付け、ゲームやエンタメ用途に適したスマホであることをアピールしていた。
LGのフラグシップ「G8シリーズ」の1台
ディスプレーを外付けで増やせるオプションが目玉
LG G8X ThinQの主なスペックはSnapdragon 855、6GBメモリー、128GBストレージ、6.4型(2340×1080ドット)ディスプレー、カメラは標準1200万画素+広角1300万画素の組み合わせ。LGのフラッグシップモデルの1機種となる。
LGは今年2月に「LG G8 ThinQ」を発表、7月には「LG G8S ThinQ」を販売しており、G8シリーズはこれで3機種が出そろった。しかし、それぞれ本体とディスプレーのサイズが異なっており、外観上の共通点は背面カメラの配置程度となっている。
G8X ThinQは単体でも高性能なスマートフォンだが、ディスプレーをもう1枚外付けできる「Dual Screen Case」を常時取り付けて使うことを提唱している。LGブースでも展示品のほぼすべてにこのDual Screen Caseが装着されていた。
Dual Screen CaseにはG8X ThinQとまったく同じ6.4型ディスプレーが搭載されている。フロントカメラは無いのに、G8X ThinQ本体側同様の水滴型ノッチがある。同じディスプレーを使うことでコストダウンやユーザーエクスペリエンスの向上、またスクリーンの保護フィルムを本体/ケース側で同じものを使うことができるというメリットがある。
ちなみに2月に発表された「LG V50 ThinQ」が、このDual Screen Caseを採用した最初のモデルだった。しかしV50 ThinQのケースはディスプレーサイズ、解像度とも本体とは異なるものを搭載していた。ユーザーの使い勝手は当然だが、同じサイズを2枚搭載したG8X ThinQのほうが高いはず。またケースとの接続はV50 ThinQが本体背面の専用端子を利用したが、G8X ThinQはケース内側のUSB Type-C端子に置き換わっている。
基本は異なるアプリや操作画面を表示する
大きな1画面として使うことはできない
Dual Screen Caseを取り付けると左右に2枚のディスプレーが並び、別々のアプリを起動できる。アプリによっては90度反転させて上側にメイン画面、下側にコントローラーやキーボードという表示もできる。ただし2枚のディスプレーをつなげて1つの大きい画面としては扱えない。
ディスプレーはヒンジにより開閉できる。180度開いたところで爪で止まり、この状態で使うことがデフォルトで考えられているようだ。
ケースのディスプレーは180度からさらに開くことが可能で、本体の裏側まで360度回転させ密着させることができる。V50 ThinQのDual Screen Caseは180度以上開かず、ケースを付けると常に開いて2画面で利用しなくてはならなかった。このあたりもV50 ThinQのユーザーフィードバックを元に改善が加えられている。
Dual Screen Caseを付けた状態と無い状態を比較してみると、装着時は本体が一回り大きくなるためやや大柄な大きさとなる。ケースの重量は134gで、本体の192gと合わせると300gオーバー。片手で持つにはやや重量を感じるかもしれない。なにしろ重いと話題のiPhone 11 Pro Maxが226gなのだから、それよりさらに100g重いのだ。
とはいえ2つのディスプレーを必要に応じて使える機能は他の製品にはないアドバンテージだ。背面側はカメラ部分に大きな穴が開けてあるが、これはケースの重量を減らす意味合いもあるのだろう(なお、写真に見えるケース上の十字状のものは盗難防止器具)。
さてDual Screen Caseを閉じると表側には時刻や電池残量などを表示する小型のディスプレーが内蔵されている。G8X ThinQはこの画面を含めて「3画面利用可能」を売りにしているのだ。V50 ThinQのケースにはここの部分の表示は無く、閉じたときはスマートフォンの状態が一切わからず不便だった。しかしこのケースのディスプレーの表示強度が低く、直射日光下などでは表示が見えないのが残念なところ。
LGのブースでは2画面表示のさまざまな使用例をデモしていた。ショッピングの時に性能や評価を見ながら商品を選んだり、SNSで情報を収集しながら検索するなど、PCで複数のウィンドウを開いているときと類似のことがDual Screen Caseを使うとできるのだ。
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