ユカイ工学は9月3日、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の40名を対象に実施した、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」の実証実験の結果を発表した。日本福祉大学福祉経営学部教授の尾林和子氏の協力によるもの。実施期間は7月24日〜8月16日。
Qooboのしっぽの動きによる効果を検証し、高齢者の感情面や表情を観察した。感情的な反応「怒り」「不安・恐怖」「中立」「喜び」「悲しみ」や、行動にみられる反応など、複数の項目にカテゴライズ。総体的に「その人がどう変わったか」を評価した。
しっぽが動かないQooboとしっぽが動くQooboの高齢者に対する効果を比較すると、総合点ではしっぽが動くQooboの効果が明らかに高かったという。人の「心を動かし」、発話や撫でるなどの「行動を促し」、他者との活動と参加を促したとのこと。
従来のコミュニケーションロボットでは、導入時に長期間利用することで「飽き」による効果低下が懸念されていたとする。しかし、Qooboがもたらすポジティブな効果は、初めてQooboを触れたときだけではなく、3週間後も持続したとのこと。ポジティブ効果がさらに大きくなる傾向が見られるとした。
Qooboは充電池を使うことで、約8時間の稼働時間を実現する。サイズは幅320×奥行き520×高さ150mm。重量は約1000g。価格は1万2000円(税抜き)/1万2960円(税込み)。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります