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リファービッシュ現場を直撃!橋本テック潜入記

Qualitの高品質な中古PCのカギをにぎるベテラン母さん

2019年08月27日 11時00分更新

 市場より1~2割安い価格での中古PC販売で人気のQualit。しかし、Qualitの真の価値は、値付けではなく、実はそのグレーディング(ランク評価付け)にこそあると筆者は考えている。

 8月某日。その真偽を確かめるべく、神奈川県相模原市にある横河レンタ・リース テクニカルセンタ橋本テックを訪ねた。

潜入!テクニカルセンタ橋本テック

 レンタル品の物流倉庫として機能するテクニカルセンタのうち、橋本テックはIT機器を専門に扱う部署。Qualitは、この橋本テックの一角にその事業所を構えている。

 Qualitは、レンタル業を主とする横河レンタ・リースが抱えるレンタルアップ品(レンタル返却品)のなかから厳選された商材を、丁寧にリファービッシュして自社サイトで販売するサービスだ。

 レンタルアップ品のたどる経路は大きく2系統あり、返却されたPCは、まずこの橋本テックに集められる。検品、動作チェック、清掃などの作業ののち、再レンタルが可能とされたものは、再び横河レンタ・リースのもつレンタル品の在庫としてストックされる。

 一方、返却時点でCランク以下の瑕疵が発見され再レンタルの基準に満たないもの、もしくは外観チェックでBランク以上と査定されたものでも、製品発売日からの経過年数により、レンタル品としての需要を満たさないものは、Qualitをはじめとするリセール(再販)ルートに回され、リセール品としてストックされる。

 リセール品ルートにもいくつかあり、そのひとつが自社の販売サイトであるQualit。もうひとつは、ヤフオク!内ショップへの出品。さらに、他の中古販売業者への卸売り。動作不良品などは、ジャンク品として専門業者へ引き取られる。

 現状のPCに比してスペックの低いもの、発売日から経過年数が経っているものは他の中古販売業者におろされ、リセール品のおよそ8割がこれにあたる。残りの10数パーセントが自社でダイレクト販売されるのだが、中でもQualitで販売されるリファービッシュ品は、かなり程度のいい状態のものが厳選されている。

 まとめると、Qualitの商品は、基本的に、横河レンタ・リースの返却品のうち、以下の2種類であると言える。

・グレードはCランク以下だが、経過年数がそれほど経っていないPC
・グレードは高いが、ある程度経過年数が経っている(3~5年が中心)PC

 この仕組みだけみても、他の中古販売品とQualitで扱う商品とではかなり差があることがわかる。つまり、Qualitで扱っている商品以下のグレード品が他の中古販売業者に回され、Qualitで扱う商品以上のグレードの商品は、再レンタル品に回され、中古市場には出回っていないということなのだ。

商品のグレーディングを一手に担うQualitの母

 そんなQualitに回ってきたリセール対象品は、どのようにグレーディングされているのだろう。今回、橋本テックを訪れたのは、その秘密を探るためだ。

 というのも、アスキー編集部では、これまでいくつかのQualit販売商品のレビューを行ってきたが、実のところそのグレードの差がどこで決定づけられているのか、恥ずかしながら見分けがつかなかったからだ。SクラスとAクラスと言われても、どちらにもパッと見、傷があるようには見えないし、方やBクラス、方やCクラスと言われて、確かにどちらにも小傷は見られるが、その境界を見分けるのは至難の業だ。

IT事業部 Qualitセンター長 亀田隆彦氏

 IT事業部の亀田隆彦Qualitセンター長に案内されて、実際にグレーディングの現場を取材させてもらうと、驚いたことにQualitのグレーディング作業は、たった一人の女性の手によって行われていた。

 大塚眞由美さん。Qualit専任のグレーディング、クリーニングのベテラン担当者で、Qualitの母とも呼べる存在だ。

Qualitのグレーディング担当者 大塚眞由美さん。キズなどの瑕疵の発見には、まず触覚による診断が基本になるという

 実際に大塚さんのグレーディングチェック作業を見せていただいた。

 キズの有無を探すには、まず、指の腹を製品のエッジやラインに沿って辿っていき、引っ掛かりを探していくのだそうだ。

 ラインを調べ終わったら、面に対して明かりを当て、光の中に屈折がないかを見る。面にキズがあれば、たとえ小さなキズであっても、光はフラットに広がらず、必ず別方向に反射する箇所が見える。それをまた指でチェックし、程度を確認する。

 シロート目には、見た目が大事という観念から、どうしても視覚に頼りがちだが、キズの程度は触覚による診断が一番だと大塚さんは言う。その診断を元に、決められた基準値に照らして、個々のキズの程度を査定し、それらを総合して最終的な商品ランクを決定する。

 一通りキズのチェックを終えると、グレーディング作業は終了。続いてクリーニング作業に移る。

 Qualitで販売する製品は、大塚さんの元へ届く前に、橋本テックへの入庫処理の一環として、すでに一度クリーニング作業がなされている。それでも大塚さんは、自らの信じるやり方でクリーニングを再度実施する。Qualitで行うクリーニングはレンタル品と基準が違うのだという。

大塚「レンタル品は、利用期間が終われば当社に戻ってくる社内の在庫ですが、Qualitで販売されるものは、当社の手を離れてお客様の私物になる商品。お客様が手にしたときに不快感があっちゃいけないと思っているので」

付属の電源ケーブルの巻き方ひとつにもこだわり、一見きれいに巻かれたケーブルをほどき、自らの美学にしたがって巻き直していく

 大塚さんは入社当初、クリーニング担当者として掃除の仕方を徹底的に仕込まれた。「社内で利用されているPCが汚れているのを見かけるとクリーニングしたくなる」いうほど、生粋のクリーニングマニアだ。

 そこで、そんなPC掃除のプロである大塚さんに、自分のPCをきれいに保つ秘訣、掃除のコツをうかがった。

大塚流PC掃除のコツ

■掃除用具
・PC掃除に使うのはシーツの切れ端や日本てぬぐいがよい。
・PC清掃時に用意するのは、水、アルコール、洗剤。
・洗剤は工業用洗剤でも、家庭用のお掃除洗剤でもOK。薄めて使ってもいい。
・アルコールは市販の除菌アルコールでOK。
・汚れ落としにおすすめなのは「激落ちくん」(メラミンスポンジ)。
・「激落ちくん」を使うときは軽く撫でるくらいで。強くこすってはいけない。
■液晶ディスプレー掃除のコツ
・液晶は水を含ませたシーツ布で拭き、その後、乾拭きするとよい。
■iMac掃除のコツ
・iMacは水拭きもダメで、乾拭きのみがおススメ。指の油などが付くのが一番ダメ。
■ラバー部品掃除のコツ
・ThinkPadなどで使われるラバー地の掃除は水で。あとは激落ちくんで軽く。
■ケーブル類掃除のコツ
・ケーブル類の汚れは、アルコールで。アルコール入りウェットティッシュでも可。
■キーボード掃除のコツ
・キーボード掃除は、まず掃除機で溝に溜まったゴミを吸う。
・次にキーボードを立ててブラッシング。
・カスが出るのでもう1度掃除機で吸う。
・特に汚れている箇所はマイナスドライバーなどでキートップを外し、中をアルコールを付けた綿棒で拭く。
・ブラシに布を巻いてアルコールや洗剤を含ませてキートップを磨く。
・ノートPCのキーボードはシーツや日本てぬぐいにアルコールを吹きかけて、キートップを覆い、上から靴用のブラシなどでこする。
・キーボードの清掃は左から右に、上から下に。

 目の前できれいになっていくガジェットを眺めるのは快感だ。PCの掃除をサボっている方は、この記事を目にしたのを機会にぜひ自分のPCの掃除に役立てて欲しい。

驚きをもって迎えられるべき中古PC

 試しに、SランクからCランクまでの同型番のiPadを用意してもらい、その程度差を見比べてみた。流石にSランクとCランクではまったく程度が違うが、SとA、AとBと1ランク差の商品を比べていくと、どちらが上のグレードだかほぼ判別がつかない。また、一番下のCランクの商品といえど、これなら決して悪くはないと思わせてくれる状態なのだ。

 Qualitのサイトに並ぶ商品は、すべて大塚さんがグレーディングし、クリーニングし、梱包まで一人で行っている。もう、大塚さん自身がQualitと言っても過言ではないような状態だ。大塚さんの作業目安は1日20台前後。つまり、Qualitに新しい商品が加わるのは、1日に20台前後が限界になっている。そこで、こうしたグレーディングやクリーニング、Qualit向けに梱包などをし直さない、レンタルアップしたままの状態のVランクというバリュー商品のラインアップも投入した。

 そんなQualitの現在の最大の悩みの種が、大塚さんの後継者がいないことなのだという。ヤフオク!店などでは、グレーディングを外部委託するなどの施策も始めているが、外部委託するには基準が必要だ。ところが、大塚さんの基準値は社内でも飛びぬけて厳しい。少しでも気になるキズがあると、グレードを下げて査定する。ときには、スタッフと商品ランクについて意見がぶつかることもあるという。会社としては少しでも高く売りたいので、多少甘目な判定に傾いてしまうこともあるそうなのだが、大塚さんは自身が気になると頑として譲らず、結局は大塚さんの付けたグレーディングで販売することになるのだそうだ。

 前出のグレーディング専門の外部委託業者と話していても、Qualitのグレーディングは普通より1ランク高いと言われてしまうと、亀田センター長も苦笑する。

 しかし、Qualitの商品はリピーターも多く、特に商品グレードに関しては苦情が出たことがない。いいものが安く買えることのほうが大事。現状の商品がお客様に満足してもらってるのであればグレード付けを変えるつもりはないと亀田センター長は言い切る。

グレーディング、クリーニング作業を終え、出荷を待つQualitの商品

 Qualitの商品で人気が高いのは、やはりSクラスの超美品なのだという。しかし、ことQualitの商品に限って言えば、むしろBクラスやCクラスくらいの商品のほうが納得感が高く、お買い得なのではないかとすら思う。少しでもきれいな美品をと考える気持ちも分かるが、中古PCの導入を考えているのであれば、とにかく一度QualitのBクラス、Cクラスの商品を手に入れてみてほしい。この程度の良さでこのグレードなの!?という驚きが分かってもらえると思う。価格的にもリーズナブルで満足感も高いはずだ。

 Qualitには、大塚さんのこだわりによって厳格にグレーディングされ、丁寧にリファービッシュされた、中古ながら「驚きをもって迎えられるべきPC」が揃っているのだ。

提供:横河レンタ・リース株式会社

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