オフィスソフトが快適に動くかがポイント
最後にそれぞれの性能を見ていこう。試用機は、VAIO Pro PAがCore i7-8500Y(1.5GHz/最大4.2GHz)プロセッサー、Surface Pro 6が個人向けモデルのCore i5-8250U(1.6GHz/最大3.4GHz)プロセッサー。法人向けモデル(Surface Pro 6 フォービジネス)はCore i5-8350U(1.7GHz/最大3.6GHz)となるが、大きな違いはOSがWindows 10 HomeでOffice 2019が搭載されていることである(法人として購入は可能)。
どちらも第8世代で基本動作周波数としてはあまり変わらないが、実はYプロセッサーとUプロセッサーの差は少なからずある。Yシリーズは消費電力を重視したCPUで、消費電力(TDP)が5Wと低いが2コア4スレッド。Uシリーズは15Wで4コア8スレッド。性能としてはUシリーズのほうが有利になる。Yシリーズは低いTDPのためファンレスでも問題なく動作しタブレット向き。ただ、Surface Pro 6は、Uシリーズでありながら、ファンレスを実現している。
一方、VAIO Pro PAは、Core i7-8500YやCore i5-8200Y(1.3GHz/最大3.9GHz)のほかに、Celeron 3965Y(1.5GHz)やCore m3-8100Y(1.1GHz/最大3.4GHz)をラインアップするなど、選択肢が豊富だ。企業で大量導入するとなると、ちょっとした価格差が大きく影響する面もあり、Celeronなど安価な選択肢が用意されている点はいい。
一方Surface Pro 6はCore i7-8650U(1.9GHz/最大4.2GHz)とCore i5-8250U、Core i5-8350Uのみ。メモリー容量やSSDの仕様・容量など、細かくカスタマイズできるVAIO Pro PAに対し、Surface Pro 6はCPUに対してメモリー容量やSSDなどの選択肢が狭いため、カスタマイズ性は限定されている。
価格はVAIO Pro PAが13万9800円から、Surface Pro 6がタイプカバー込みで13万1200円からと、性能が高い割には低価格から用意されている。VAIO Pro PAはキーボードの造りが違うぶん値は張るが、カスタマイズ性は高いので仕事にあった仕様を組めるだろう。
こうしてVAIO Pro PAとSurface Pro 6をさまざまな視点で比較検討してみたが、自立型と着脱型の性格が見えてきた。それぞれ一長一短はあるものの、自立型のSurface Pro 6は、モバイルワークを中心とした、持ち運んで作業をすることに長けている。LTEが載っていたら完璧だっただろう。一方、着脱型のVAIO Pro PAはクラムシェルマシンを意識していることもあり、オフィスワークはもちろん、モバイルワークまでカバーする万能選手のような使い勝手を提供してくれる。
2in1マシンは、クラムシェルタイプとは違いさまざまなシチュエーションで最適な利用方法を提供してくれる。キーボードでの作業、タブレットでの作業、それぞれのスタイルにあった仕事があるため、クラムシェルマシンとタブレットのひとり2台持ちしているような企業は、2in1マシンを導入する価値は非常に高い。さらにペン入力(どちらも別売り)にも対応しているので、お客様にサインをもらうときなどに利用したり、富士ソフトのペーパーレスシステム「moreNOTE」のようなソリューションとあわせて活用するなど、企業のシステムや作業内容に見合ったマシンの導入を検討してほしい。
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