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デルに関する4つの誤解がきれいに氷解!

俺でもデルのPCを選んじゃうわ、と思った話

2019年10月30日 17時00分更新

文● 村野晃一(ASCII編集部)
提供: デルテクノロジーズ

個人向けと法人向けの3つの違い

 木村氏によれば、デルの個人向けのラインアップと法人向けのラインアップでは、大きく3つの違いがあるという。

木村「まず製品コンセプトにおけるパーツ構成などの違いですね。個人向け製品では極力最新のスペックのものを使いたい、というニーズを重視して、最新のCPUなどを採用した一番新しいモデルを投入するといった方向性があります。一方、法人向けでは、先ほど申し上げたとおり耐久性、信頼性といった観点から、市場での実績や安定性を重視したパーツを採用したモデルを投入するといったことが多くなります。

 2番目に、製品のライフサイクルの違いですね。個人向け製品では、毎年、春モデル、秋モデルといったような期間ごとに新しいバリエーションが出てきますが、法人モデルの場合は、後継モデルが1年後とか1年半後とか、比較的長いスパンで入れ替わるという点が違います。

 デル製品の価格にバリューを感じて導入していただけるという企業も多いのですが、反面、性能は高くない、という評価をされる方もいらっしゃいます。確かに、その時点で最新のパーツを搭載したモデルに比べたら、性能が高くないと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、そのぶん、常に安定して動作し、万が一トラブルが起こっても対処する方法がすでにいくつもある。代替パーツも量産効果でコストが下がっていてすぐに手配できる。今進めているビジネスが滞りなく継続していける。それが、ビジネスにデル製品を選んでいただくことの最大のメリットになっているんです」

 ビジネスに使うPCは安全・安心第一主義、安定して供給されているパーツを利用する。これが、結果的に“価格は安いが最新鋭ではない”という評価だけが独り歩きしてしまう原因になっているようだ。

木村「そして3番目、サポートも、個人向けと法人向けでは違っています。法人向け製品の場合には、たとえば、意図せずノートPCの上にコーヒーをこぼしてしまったとか、うっかり本体ごと落としてしまったといったような、自損事故のようなケースにも対応できるようなサポートも用意されています。

 また、法人向けのPCの場合、保守の範囲も国内だけに限りません。中堅企業さんでも、約52%が海外展開をしています。中でも製造業の従業員300名以上の企業さんですと約77%にもなるんです。

 そういった企業のPCが、もし海外への出張中に壊れたら、といった心配もありますよね。そんなとき、日本のサポートに連絡すれば、故障したパーツを提供できる現地の一番近いパーツセンターからパーツを持って、お客様の滞在しているホテルに修理に行く、といったことまでします。

 なぜそういった対応ができるかというと、すべてのデルのPCには、“サービスタグ”という7桁の番号が付けられているんですね。この番号はグローバルで均一の仕組みで管理されているんです」

デル製品に付けられたサービスタグ。ノートPCは本体底面に、デスクトップPCは基本的に本体背面に貼られている

木村「シリアルナンバーで製品管理をされているメーカーはほかにもありますが、これをグローバルベースで共有し一貫した管理をしているのはデルだけです。海外でも、そのPCにはどういったパーツが使われていて、いつ作られたもので、どこで買われて、どういったサポート契約になっているとか、そういった情報がすべて把握できるんです。

 こんな例もありました。タイのテクニカルサポートに、PCが動かないという連絡が入ってサービスタグを調べたんですね。すると、そのPCはとある日本の法人向けに売られたものだということが分かった。でもサポートを依頼してきたのは現地の方だった。実は、このPC、タイに出張に来ていた日本の法人のユーザーさんが空港で置き引きに遭って、その犯人から転売されたものだったんですね。そこで日本のサポートからこの法人のお客様に、置き引きされたPCが見つかった旨を連絡させていただいたいたんです。元のユーザーさんと転売品を買われた方と交渉の末、そのPCは無事元のユーザーさんの元に戻ったんです。

 サービスタグによるPCのトレースは、法人向けPCに限らず個人向けPCでも可能なんですが、海外での故障などに対応する“インターナショナルサポートプログラム”は法人向けのみのサービスになっています」

 確かに世界中どこへ出かけても、自国のサポートセンターに連絡するだけで、現地で同じようにサポートが受けられるのは、法人向けPCのマーケットでは大きな強みになるだろう。ホテルまで修理に来てくれるというのは驚きだ。

国内に社員500人体制でサポートセンターを構えるワケ

 デルのサポートは、人件費の安い国に丸投げしている、という説に至っては、それこそ思い込みを通り越して単なる言いがかりだったことも判明した。現在デル日本法人では、宮崎のカスタマーセンターで500人の正社員が国内のサポートに当たっているというのだ。国内にこれだけの規模のサポートを置く理由はどこにあるのだろう。

木村「過去からの学びですね。

 今から12~13年前ですかね。サポートコストを落として、製品価格に還元しようと、中国の大連にサポートを置いていた時期があったんです。日本語も堪能で、サポート知識も問題ない人を揃えました。しかし、文化の違いでちょっとしたニュアンスが伝わらないなどで、特に法人のお客様からお叱りを受けたんですね」

大連サポートセンター時代

木村「再度お客様目線でサポートを見直して、宮崎にカスタマーセンターをつくり、現在、正社員だけで500名近いサポートメンバーが従事しています」

宮崎カスタマーセンター

木村「500名といっても、PCだけでなく、サーバーだとかデル製品全般のサポートをしていますし、電話対応するスタッフ、チャット対応、メール対応とチャネルも担当に分かれていまして、勤務体系も13のシフトに分かれて24時間365日対応できるようにリソースコントロールしています」

──日本のユーザーさんは厳しい?

木村「厳しいですね。日本人は元々サービスに対する期待値が高いんですよね。評価も辛口ですし。

 デルでは、サポートさせていただいたお客様にランダムにアンケート調査をするんですよ。評価が10段階あるんですけど、これが海外だと“良い”“悪い”というのが大体極端なんですよね。希望通りのサポートが受けられたら“10”とか、経緯がどうあれ解決しなかったら“0”とかね。なので、10段階のうちの上から3つくらいまでに入らないと評価されたことにならないんですね。でも日本の場合、だいたいどんな結果でも真ん中くらいに付ける人が多いんですよ。

 とはいえ、デルのサポートの社内評価は、グローバル的に上から3つくらいまでのアンケート結果を貰わないと評価されないんです。ですから、もう常に全力投球です。おかげさまで、今年8月の顧客満足度調査のPC部門では、デスクトップもノートも日本がナンバー1になりました」

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