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男女ともに6割以上は「女性・男性だからこうあるべき」と言われている

2019年08月16日 16時40分更新

 クラウドワークスは8月14日、全国1642人の女性・男性を対象に実施した「性差による仕事と家事・育児の役割に関する意識調査」の結果を発表。調査期間は7月26日~8月1日。調査方法はクラウドワークスのアンケートで、有効回答数は1642人。

男女ともに「自分の両親」に「こうあるべき」と言われている

 「これまでに周囲から『女性だから・男性だからこうあるべき』と言われたことはありますか?」と聞くと、女性の73%、男性の66%が「はい」と回答した。

 「『女性だから・男性だからこうあるべき』は、誰から言われましたか?」と聞くと、女性は「自分の両親」「配偶者やパートナー」「勤め先の上司・先輩」「自分の祖父母」「友人」の順だった。

 男性は「自分の両親」「勤め先の上司・先輩」「友人、勤め先の同僚」「配偶者やパートナー」の順になった。1位は男女共に自分の両親で共通しているとわかった。

女性は「家事は女性がするもの」が1位

 「『女性だから・男性だからこうあるべき』、具体的にどのようなことを言われましたか?」と聞くと、女性は「家事は女性がするもの」が1位、「女性は仕事をしても家事・育児を疎かにしてはいけない」は2位、「育児は女性がするもの」は3位、「家を守るのが女性の役割」は4位、「男性は仕事をしているから家事や育児が出来ないのはしょうがない」は5位。

 男性は「男性は妻や子ども、家族を養うべき」が1位、「仕事をして稼ぐのは男性」は2位、「男性はもっと家事・育児を手伝った方がいい」は3位、「男性も家族育児をやるべきだ」は4位、「家事は女性がするもの」は5位だった。

過半数が「こうあるべき」が影響を与えたと感じている

 「周囲からの『こうあるべき』という言葉はあなたのライフイベントやキャリアに関する考えや行動に影響を与えましたか?」と聞くと、女性は「与えた」が24%、「当時は気づかなかったが、今振り返ると与えていた」は39%で、あわせて63%。

 男性は「与えた」は18%、「当時は気づかなかったが、今振り返ると与えていた」は33%で、あわせて51%。男女ともに過半数が「こうあるべき」という言葉で、ライフイベントやキャリアの考え方や行動に影響を与えたと感じているとわかった。

 また、「与えた」と「当時は気づかなかったが、今振り返ると与えていた」をあわせた割合を年代別に比較すると、女性は40代が71%、30代は63%、20代は53%だった。男性は40代が71%、30代は52%、20代は50%。若年層になればなるほど、影響を与える傾向が少なくなると明らかになった。

性別役割分業に共感しないのは71%

 『あなたは、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業の考え方についてどう思いますか。あなたの気持ちに最も近いものを選んでください』と言うと、「共感しない」「どちらかと言えば共感しない」はあわせて全体の71%だった。

 関東の女性は「共感する」と「どちらかと言えば共感する」が25%なのに対し、関東以外の女性は39%で、14%も開きがあるとわかった。男性も関東は26%だが、関東以外は30%で、4%の差があった。

「とても腹が立ったことを覚えています」などの声が

 「『女性だから/男性だからこうあるべき』に関するエピソードや意見を教えてください」と聞くと、女性からは「会社に入社した年、配属先の上司・先輩から、『女性だから結婚したら家事しなきゃいけないよね。その前に一人暮らしで、旦那さんを満足させられるような家事のクオリティにしなくちゃだよ』と言われました。私は、なぜ現在働いているのに、女性が家事をするのが当たり前で、それも旦那を満足させるってどんだけ上から目線なのだ、ととても腹が立ったことを覚えています(女性・20代・愛媛県)」などの声があがった。

 男性からは「男性だから女性だからこの手の論争は私が若い頃からも言われていて、大手メーカーや総合商社の面接でも取り上げられ、質問やディベートの話題にもあがりました。 これが25年ほど前の1/4世紀前ですから、結局は大して進歩していないかなと。 高校、大学時代運動部でしたので家事、洗濯、料理も卒なくこなした方なので、家事云々は気にならないです、むしろ好きなので、特に料理は分担してやってきました(男性・40代・静岡県)」などの意見があった。

 クラウドワークスは今回の調査を受けて、年代別の比較には女性・男性ともに大きな違いは見られないことから、女性活躍がうたわれる現在でも「性差の押しつけ」や「生き方の不自由さ」は依然、根強いと結論づけている。

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