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東京2020に向けた、サイバー犯罪の傾向と対策を知る

「キャッシュレス決済では便利と安全を天秤にかけてはいけない」マカフィーに聞く

2019年08月26日 18時00分更新

2020年、サイバー犯罪者は5Gを利用する

── 日本では、東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで1年を切りました。世界中から注目を集めていますが、当然、サイバー攻撃にも対策が必要なはずです。どんなことに気をつければよいでしょう。

デイビス 対象が企業であれ、個人であれ、サイバー攻撃が起きようとしているなら、マカフィーは全力で阻止しようとします。しかし、攻撃をする側が「このイベントに向けて、こういうことを考えています」と、前もって我々に共有してくれることはなさそうです(笑)。もちろん、しっかり対策をするつもりですが、何かしらの攻撃は起きるでしょう。今の段階では、それらがどういうものになるか、というのははっきりと断言しにくいですね。

── 未知の部分が多いということですが、どのようなことが予想されるでしょうか?

デイビス まず、データを盗み出そうとしてくる攻撃ですよね。というのは、新しい通信規格、5Gの影響があるからです。高速で大容量のデータを動かせる5Gは、サイバー攻撃をしかける犯罪者にとっても都合がよいものです。相手が対策を終える前に情報を盗み出せる可能性があるわけですから。

日本の各キャリアは2020年春に予定している5Gサービスに向けて、全国各地で工事に着手している

── 5Gのセキュリティについては、まだあまり日本では議論されていません。この点についても、ぜひ教えてください。

デイビス その質問はよく受けますね。テクノロジーが世の中に出て行けば、サイバー犯罪者は脆弱性がどこにあるかを探し、そこから攻撃を始めます。しかし、セキュリティの専門家と5Gの話をすると、「『すべてのセキュリティホールが対策されている』と言っているが、そんなことはあり得ない」という意見で一致します。要するに、多くの人が使い始めてみて初めて分かる、リスクが存在するのです。

── やはり、5G対応の機器が広く世の中に出ていく2020年になって初めて、5Gの問題が明らかになるということですね。

デイビス はい、そのときにセキュリティの問題が出てくると思いますね。5Gのアーキテクチャ、プロバイダーが、そのたびに脆弱性にパッチを当てていく必要があると思います。

 東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるまで、あと1年を切っています。もしここが5Gのショーケースになるのであれば、今ぐらいに発表が出てこないと、遅いかなという気はします。

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