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普通はやらないことばかり、日本でしかできない製品だった

あり得ないを積み上げた、世界最小最軽量の完全ワイヤレス「GRAIN」

2019年07月26日 15時00分更新

GRAIN。薬のカプセルのようなシンプルな外観

 増え続ける完全ワイヤレスイヤホン。リーズナブルな価格で手に入る機種も増えてきたけれど、あんまり代りばえしなくてつまらない。そんなふうに考えている人に注目してもらいたいのが、世界最小の完全ワイヤレスイヤホン「GRAIN」だ。

日本じゃないとできない技術を満載

 現在、GREEN FUNDINGでクラウドファンディング募集中。GRAINは英語で「粒」という意味。文字通り小さくて軽い筐体が特徴だが、「ただ小さいだけ?」なんて侮ってはいけない。世界初にこだわり、日本でしかできない技術を盛り込んで奇跡的に実現した製品なのである。

 プロジェクトはBATTLES DESIGNと岡田製作所によって開始。その設計を担当した岡田さんは「GRAINはもしかすると幻の商品になるかもしれません。今回はたまたま色々な人達のご厚意と心意気で実現に至りましたが、これが昨今の商売スキームで何度も通用するとは思えません」と話す。

 きっかけはたまたま参加した飲み会だった。岡田さんはもともとフリーの立場で、デジタル製品の開発請負をしていたが、そこで部品の製造で付き合いのあるベテランの職人さんたちと会話する機会があった。そこで聞いたのが「俺たちも5年後はいないぞ。何かをやるならいまだ」という言葉だ。

AirPods(左)とGRAIN(右)を比較。コンパクトさが分かる。

 町工場が支える日本のモノづくりには転機が訪れている。後継者不足などもあり、培われた技術も消えてしまいつつある。一方で、日本の大企業はモノづくりの冒険がしにくい状況が続いている。アイデアを形にしたい。これは技術者の夢だ。しかし、世の中はそんなに甘くない。そんな中、日本だからできる、最高の技術を世に送り出そうとしたのが、GRAINのプロジェクトだ。

 汎用品を組み合わせて手軽に製品を作る。そんな安易さとは逆方向を目指したプロジェクトだ。こんな話を聞けば、ぜひ応援したいと思って当たり前ではないだろうか?

 GRAINの試作機を見せていただきながら、岡田製作所のお話を聞いた。

部品から新規開発し、圧倒的な小型化を実現した「GRAIN」

 サイズは直径10mmで長さは18.5mm。重量はペアで2.6g。

 見た目は薬のカプセルのよう。ドライバーを先端部に置き、そこをおおうように透明なイヤーチップを置いている。全体をマッシュルームのような形状にすることで、どの角度でもイヤチップが耳穴にフィットし、密閉感を保持できる構造になっているという。ホワイトの筐体にガラスレベルの透明さの「クリアシリコンイヤピース」を開発して採用している点もこだわりだ。

クリックするとGREEN FUNDINGのGIFアニメに飛びます

 本体にはボタンがなく、極限までシンプルに。ケースから取り出すと自動的にペアリングが始まる仕組みだ。Bluetooth用のSoCには、クアルコムの「QC3026」を採用しているので、対応スマホとの間で、接続の安定性を確保できるTrue Wireless Stereo PlusやaptXコーデックにも対応できる。

 水没は不可だが、IPX4相当の耐水性能を持つ。本体のみで3時間の駆動に対応。充電ケースとの併用で、約7.5時間の使用が可能だ。充電ケースのサイズは幅75.5×奥行き19.0×高さ19.0mmで、重量は約20g。

 GREEN FUNIDNGでの価格は2万7200円(スタンダードプラン、単体)だが、早期支援者に向けた最大30%の割引も用意されている(Super Early Bird、ペアセット)。

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