「Forza Horizon 4」ではまさかの下剋上
FPS系はこのぐらいにして、レーシング系ゲームを2本ほど試してみよう。まずは「Forza Horizon 4」で検証する。ダイナミックオプティマイゼーションは使わず画質「ウルトラ」に固定し、ゲーム内ベンチマーク機能を利用する。グラフ内には数値が4つあるが、「GPU-」で始まる項目はGPU内のレンダリングフレームレートを示し、「Avg」が実際に送出される映像のフレームレートとなる。
Forza Horizon 4の傾向は今回試したどのゲームとも違うものとなった。まずRX 5700 XTはフルHDとWQHDにおいてRTX 2080 Ti FEを大きく上回っている点に注目してほしい。さすがに4KまでいくとRTX 2080 Tiに逆転を許すが、RDNAアーキテクチャーとゲーム側の描画エンジンがガッチリと噛み合えば、格上のGeForceも食えることが示された。ゲーミング向けの設計に舵を切ったRDNAアーキテクチャーの筋の良さがよくわかる。
もうひとつ興味深いのは、GeForce勢でトップを走っているのがRTX 2080 Ti FEではなくRTX 2080 SUPER FEである点だろう。特にフルHDとWQHDでは、RTX 2080 Ti FEを完全に食っている点を考えると、CUDAコア数やメモリーバス幅がモノを言う領域でない場合は、クロックが効くことを示唆している。
逆に言えば、Forza Horizon 4ではRTX 2080 Ti FEの性能が活かしきれていないのだ。このへんはエンジンとGPUの最適化問題の複雑さ(面白さ)と言えるだろう。
「F1 2019」でもRTX 5700 XT≒RTX 2070 SUPER FE
もうひとつレーシング系タイトルとして「F1 2019」でも試してみたい。画質は「超高」、アンチエイリアスは「TAA」に設定。内蔵ベンチマークで「豪雨」設定の「モナコ」サーキットを走行させたときのフレームレートを計測する。
全体傾向としてはBFVやMetro Exodusと同じ。すなわち、RTX 5700 XT≒RTX 2070 SUPER FE、かつRTX 2080 FEの数%上にRTX 2080 SUPER FEがくるという結果になった。
「BIOHAZARD RE:2」ではRadeon勢の
最低フレームレートの落ち込みが激しい
次はVRAMをやたら消費するアクション系ゲームの代表として「BIOHAZARD RE:2」で検証する。最高画質設定にするとVRAMの予想消費量は13GBを超えるが、VRAM 6GBのRTX 2060でも最高画質でプレイ可能だ。警察署ロビー~西廊下のコースを移動するときのフレームレートを「OCAT」で計測しているが、VRAM搭載量の差(主にRTX 2080 Ti FEとRTX 2080系の違い)を見るために最低フレームレートは下から0.1%と1%点を見ることにする。
まず平均フレームレート(灰色)に注目すると、全体の傾向はBFVなどに近いが、RTX 2070 SUPER FEとRX 5700 XTの差はやや大きく、RTX 2070 SUPERのほうが有利な印象がある。また、最低フレームレートは一瞬の落ち込みの大きさ(0.1%点)はGeForce勢がかなり優秀なことがわかる。RTX 2060 SUPERでも最低フレームレートの0.1%点はRX 5700 XTより上なのだ。
今回の検証環境では、いずれのグラボもPCI Express Gen3でリンクするためRX 5700シリーズのスペックをフルに活かしている状況とは言い難いが、RX 5700シリーズのファーストレビューで示した通り、ゲームにおけるPCI Express Gen4の効果はほぼないと言って良い。
となると、これは単純にこのゲームとRadeonの組み合わせによる結果と考えることができる。ただし、下位1%点のフレームレートの傾向は平均フレームレートに連動しているので、今回の環境ではRadeonは一瞬カクッと落ち込みやすいだけと言える。
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