フルHD→4Kアプコンでも美麗なViewSonic「PX727-4K」を試してみた
ガルパン最終章を4K HDRプロジェクターで鑑賞作戦です!
本格的なシアタールームでじっくりと画質をチェック
続いて、筆者の自宅にある視聴室でじっくりとPX727-4Kの画質をチェックしてみた。スクリーンはマットタイプでゲイン1.0のスタンダードなもの。投射サイズは100インチ弱としている。
視聴したのは、BD版『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話。現在、第2話が劇場上映中だ。迫力のある戦車戦が魅力のこの作品は、やはり大画面で見たほうが楽しい。
映画館のように完全な暗室で見ると、映像は明るく実にパワフルな印象。大昔のプロジェクターは明るさが十分でなく、薄型テレビに比べるとぼんやりとした映像に感じがちだったが、現代のプロジェクターならば適度に照明を落としてやれば、薄型テレビと遜色のない明るい画面が得られる。
基本的な傾向としては、明るさやコントラストは十分。色はかなり鮮やかなので、ガルパンのようなアニメの映像とはよくマッチする。原色がやや強めに出るので、画質調整で「色の濃さ」をやや下げてやると、より自然な色合いになる。こうした画質調整機能もきちんと備わっているので、好みに応じてしっかり調整しよう。
そしてコントラスト感も十分だ。豊かな色がくっきりと出るので、大洗女子学園の生徒一人ひとりの表情もくっきりと描かれる。細かな色の再現もしっかりとしており、意外と気付きにくい各キャラクターの肌の色の違いまでしっかりと描き分けている。
また、薄暗い戦車内の場面でも、暗部の階調がしっかりと出ており、暗いながらもきちんと見通しがいい。こうした暗部のきちんとした表現力と、十分な輝度パワーがあるので、たくさんの戦車が激しく砲撃を繰り広げる場面では、砲撃時の爆発光も鮮やかに描かれる。戦車戦の舞台である、のどかな田園地帯の景色も豊かな自然を色彩感豊かに描いていた。
本作品はフルHDのBDソフトだが、4K解像度にアップコンバートされることでより緻密さを増した印象になる。細部でジャギーが目立ったり、ノイズが増えるようなこともなく、コントラストの高さもあって、実に精細感のある映像になる。部屋をやや暗くしていることもあり、映画館の雰囲気が蘇る。
なお、PX727-4Kはスピーカーも内蔵しており、プロジェクターだけでも映画鑑賞はできる。とはいえ、モノラルスピーカーなので必要最小限度の装備だ。100インチ級の大画面だけに、音もサラウンドに対応したシステムを組み合わせるのがおすすめだ。
4K実写映画ではHDR対応機の底力を感じられる!
『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話でも、その実力は十分に優秀だとわかったが、せっかくの4K HDR対応機なので、UHD BDソフトの視聴もしてみた。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を見てみたが、冒頭の非常に暗い夜の街の景色は、さすがに真っ黒の深い表現は限界がある。とはいえ、これは液晶テレビなどでも同様。有機ELテレビでもないとできない表現だ。
暗い街の建物のディテールはしっかりと描写ができていて、暗い街をきちんと見通しよく描いている。これはなかなか良好な表現だ。そして、暗闇の中で魔法を駆使した戦いが行われる場面では、実にパワフルな輝きで魔法の光を描き出した。このあたりはさすがはHDR対応モデル。真っ白いだけでなく、青みを帯びた光がきちんと描かれている。
主人公のニュート・スキャマンダーが飼育している魔法生物たちも、不気味な造形が鮮やかに描き出された。水の中に住む竜のような生物の濡れた皮膚や海藻のような毛並み(?)も実に生々しい。細部の表現を厳しくチェックすると、100インチ級の大画面表示ということもあり、ややソフトな感じになる。とはいえ、4K解像度らしい情報量は十分に出ている。スクリーン投影の独特な感触は、薄型テレビとはひと味違う、映画館のような雰囲気だ。
このほか、Netflixなどの動画配信サービスの4Kコンテンツも見てみたが、4Kらしい情報量をしっかりと大画面で楽しめた。これが10万円前半で楽しめるというのはとても素晴らしいことだ。
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