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牛丼の代替品としては不要かもしれないが……:

すき家の豚丼が終わるから食べに行っちゃった

2019年06月04日 10時00分更新

牛丼の代替品としての役目を終えたかもしれない
ファンの声が集まれば復活する可能性が……

紅ショウガをのせたりなどすると、牛丼と見分けがつきにくくなります

 豚丼をあらためて食べますと、やはり、牛丼っぽい味付けだなと。何をいまさら……と思われるかもしれませんが。牛丼の代替品として出てきたのだね、というルーツを思い知る感じでした。やはり豚肉と牛肉の違いはありまして、食感や味わいにその差異はありますが、すき家に限っていえば、基本的には牛丼と豚丼は同じ路線のテイストです。

 そう考えると、牛丼が普通に提供できるようになった今日において、豚丼の価値とはなんなのでしょうか。豚肉のほうが好みなんだよね、という人も少なからずいるものの、牛丼のバリエーションに力を入れているすき家にとっては、牛に一本化したほうがコスト削減につながるかもしれません。でも……。

豚肉の味付けは、やはり、牛丼っぽいそれです

 1986年生まれの筆者にとっては、牛丼の販売中止→豚丼の販売開始→牛丼の販売再開の流れの最中に多感な学生時代を過ごしたので、豚丼は思い出深いメニューでもあります。

 牛丼チェーンの豚丼をはじめて食べたときの「牛丼を再現したいんだろうなあ」感は、いまでもよく覚えています。豚丼の販売がはじまった当初は、「コレじゃないんだよなあ」的な非難が多かった気もします。タレの味を似せれば似せるほど、牛肉と豚肉の違いがモロに出るので、なかなかつらい話だとも思いましたが。

 そこから各チェーンともに地道な改良を重ね、牛丼とはまた別の魅力が生まれていき、豚丼のファンも増えていったように思います。牛丼が安定して供給できるようになった昨今でも、各チェーンがたびたび復活させているのは、その証左といえるでしょう。

 有名バンドの弟分的存在、あるいはそれに続く存在として売り出されたバンドが、地道な活動を経てまた違った魅力を生んでいくような……。ちょっと違うかしら。ビートルズに対してのバッド・フィンガーみたいな……ぜんぜん違いますね。


 ゼンショーホールディングスは今回の販売終了について、「豚丼は好評だが、メニュー数の調整のため」と説明しています。とくにすき家の場合は、店舗での作業の効率化をはかることを考慮している可能性もありますね。いわゆる「ワンオペ」問題が取り沙汰されたこともあり、ゼンショーホールディングスは職場環境の改善へ力を入れているとアピールしています(職場環境改善への取り組み | 企業情報 | ゼンショーホールディングス)。

すき家の看板。「牛丼」「カレー」。豚丼の名はありません

 いずれにしても、すき家の豚丼は姿を消します。牛丼の代替品としてはもう輝ける場所がない、という判断なのかもしれません。豚丼の提供をやめて牛肉の仕入れに専念することで、コスト削減をねらう試みでもあるでしょう。それでも、一度は復活したわけですから、豚丼ファンの要望が多ければ、もしかしたら……。とりあえず、食べたい人はお早めに。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。

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