週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー

2019年05月30日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

国内でも販売されているなくしものトラッカーの「Tile」。スマホとBluetoothで接続し、見失った場合に音を鳴らすなどして探すことができます

 トランプ大統領が来日した今週、米カリフォルニア州ベイエリアの友人が何人も来日していて、東京の警備体制に驚きを隠せずにいたようです。

 時を同じくして、なくしものトラッカーTileのCEO、CJ Prober氏も来日し、インタビューする機会がありました。

 Tileといえば、本連載の2月の記事で、まとめ買いをした話をご紹介しました。キーホルダーや財布などの持ち物にBluetoothのタグを付けておけば、スマートフォンのアプリから音を鳴らして発見できます。

 また、スマートフォンのBluetooth圏外、つまり家や職場以外の場所でなくしたとしても、もし近くに他のTileユーザーがいれば、TileにGPSがなくても現在のありかを知ることができる仕組みで、世界に張り巡らされた探し物コミュニティの構築を急いでいます。

 2月の記事の最後で、絶対なくしてはならないモノをなくしてTileに頼る状況は「危機的」という指摘をしました。もしかしたら、日本でTileにGPSがなくても、なくしものを発見できる世界が作られるかもしれません。

 そんな期待を高めてくれるインタビューになりました。

GoPro→TileのベテランCEOが取り組む
「なくしものゼロの世界」

 Prober氏は2018年にTileのCEOに就任する前は、アクションカメラのGoProでCOOを勤めていた人物です。

Tile CEOのCJ Prober氏

 Tile CEO就任とともに、米国のケーブルテレビ大手Comcastとの提携を発表し、ケーブルテレビのセットトップボックスをTileに対応させました。またカジュアルな人気ヘッドフォンSkullcandyなどにTile機能を持たせるなど、プラットホームを「面」や「点」で押し広げる戦略を加速させているのが印象的です。

 「あらゆるBluetoothデバイスは、簡単なチップやコードでTile対応にすることができます。Tileユーザーが他のユーザーの探し物を助ける『コミュニティ検索』を切り拓いており、その広がりはTileの戦略であり、世界中の人々の助けにも鳴ります」(Prober氏)

 人がものをなくすというのは「痛みを伴うこと」とProber氏は指摘します。

 確かに自分の行動を振り返ってみても、1年中365日、なんらかの瞬間探し物をしているし、それを減らすようにカバンの中身を整理したり、部屋を片付けたりする対策に講じています。探す時間だけでなく、それを防ぐ片付けにも時間を費やし、見つからないとストレスが溜まるどころか、約束に遅れたり、出かけた先でやりたいことができなかったり。確かに痛みを伴う事態です。

 2018年の世界のBluetoothデバイスの出荷台数は40億台。中にはスマートフォンやタブレット、PCなども含まれていますが、これらのすべてがTileに対応する世界になれば、確かに我々の生活は目に見えて変化することになるはずです。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事